9月14日 スイス(3)インターラーケン~ツェルマット:「アルプスを行く」

アルプスの名峰:ツェルマット

今日行ったのは、アルプスの巨峰ユングラウフの麓にあるインターラーケン、そしてアルプスのシンボルともいえるマッターホルンの麓ツェルマット。

インターラーケンからは高度3453mのユングフラウヨッホへ登る登山鉄道が出ている。ユングフラウヨッホからは氷河が見え、その景色はとても素晴らしいものだろう。

そしてアルプスのシンボル、マッターホルン。スイスで有名なチョコレートTobkeroneはこの山の形を表現している。天を突き刺すような見事な三角形をしたこの山。その景色はすばらしいことだろう。

せっかくアルプスにいるのだから山登りをしようと思った。最初に向かったのはインターラーケンだったが、天気があまりよくなかったので今回向かったのはマッターホルンの麓ツェルマット。ここまで登山鉄道で向かい、ここから山へ登ってアルプスを少しでもいいから肌で感じとることにした。

ヨーロッパにおける自然の宝庫と言えるアルプス。一体どんなところなのか。自分の目で確かめに行ってみた。

「起床」
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トントン!
自分を軽く叩いてくる人がいる。目を覚ましてみてみると、警官二人が目の前にいた。
「駅は寝る所じゃないよ。ここで寝るのをやめなさい。」
そう言われても、昨日電車が遅れたため、インターラーケンに行く電車に乗りそびれたからここで寝ているのだ。自分もこんな治安の悪い駅で寝たくない。だが、そう伝えたところで警官2人は折れない。どうしてもここを発たなければいけないようだ。

時刻は午前4時。インターラーケン行きの始発電車まであと1時間以上もある。まだあまり寝ていないので眠たくてしょうがない。

駅泊の経験上、プラットホームならば警官はあまりやってこないのでインターラーケン行きの電車がやってくるプラットホームで寝ることにした。

ゴトン!ゴトン!
電車のやってくる音で目が覚めた。自分の乗る電車だ。ちょうど起きることができてよかった。急いで寝袋をしまい、すぐに電車に乗り込んだ。

「インターラーケン西駅到着」
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電車は約1時間でインターラーケンに到着。インターラーケンに向かう途中、左手にエメラルドグリーンの色をした大きな湖がある。トゥーン湖だ。

インターラ―ケン駅周辺は曇り。晴れならばアルプスの巨峰が見えるのに、曇りなので残念だ。

午前8時に駅近くのスーパーが開店したのでとりあえず朝食を取ることに。バナナとマスカット、そしてスイスを代表するチーズ、グリュイエールとパンを購入した。
大きなスーパーだったが、昨日滞在したスイス人のお勧めHeideのチーズはなかったので他のブランドのグリュイエール・チーズを購入。計り売りだったので100g2.3フラン(約207円)分たけ購入した。

チーズは味が濃くくせのある味。正直グリュイエールチーズは初めてだったので、他のものと比べることはできなかったが、とて斜体も美味しく食べることができた。

「Happy Inn Lodge」
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Happy Inn Lodge 22フラン(約1980円)
昨日ベルン駅で駅泊したのだが、とても寒かった。アルプスの麓であるここインターラーケンだったらもっと寒いだろう。暑いのはなんとかなるが、寒過ぎるのは勘弁だ。そう思って何か良い宿はないか探すと、『地球の歩き方:ヨーロッパ編』に一泊22フラン(約1980円)の宿があった。物価の高いスイスにしてはとても安い値段である。そう思ってこの宿に泊ることにした。

宿の名は「Happy Inn Logde」。インターラーケン西駅近くにあった。宿の外には日本語で「ようこそ。チェックインはバーでしてください。」と書かれている。日本人が結構泊るようだ。

中に入って聞いてみると部屋は空いていた。部屋に入れるのは3時から。それまで荷物をホテルに置かせてもらうことにした。このホテル、インターネット無線ランがあることはもちろん、宿泊者にインターラーケン周辺の交通機関2日間無料券をくれる。宿代が安い上、サービスの良い宿だ。






「ツェルマットへ」
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インフォメーションでインターラーケンの天気を聞いてみる。すると今日は一日中曇り、明日は晴れ時々曇り。今日は天気が良くなる望みは薄い。だが、明日行く予定だったここから電車で2時間半の場所にあるマッターホルンの麓ツェルマットは曇りのち晴れ、明日は雨。

ならば今日ツェルマットに行き、明日インターラーケンを満喫しよう。そう決め、電車でツェルマットへ向かうことにした。

「マッターホルン氷河鉄道(MGB)」
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世界の車窓から (Visp~Zermatt)

インターラーケンからツェルマットに行くには、Vispという駅までスイス国鉄で行けるが、そこから先は私鉄のマッターホルン氷河鉄道(MGB)に乗り換えなければならない。

この路線は自分の持つ鉄道パスInterrail Global Passで無料にはならず、半額となる。もともとの料金はVispからZermatt(ツェルマット)駅まで約1時間半の距離で往復66フラン(約5940円)。半額となって初めて許容範囲となる。

ちなみに、鉄道パスなしでインターラーケンからツェルマットを往復したときにかかる料金は150フラン(約13500円)以上。スイス国内を数日旅行しただけで、自分の持つInterrail Global Pass一ヶ月分399ユーロ(約53000円)のもとが取れそうである。やっぱりスイスの鉄道は高い。

この路線、昨日紹介した人気観光列車氷河急行が通る路線でもある。きっとものすごい景色が広がっているんだろうと期待した。

電車は赤色。スイスの電車は赤色が多い。車窓には思った以上に美しい景色が広がっている。谷の裾を走る電車。谷の中心には雪解け水でできたであろう川が流れている。その色は透明ではなく、エメラルドグリーン。見たことがない神秘さだ。電車が奥に進むにつれ、壁のように高く険しい山々が姿を現す。日本の山々とはまた違った、迫力のある美しさだ。

電車はまるでケーブルカーのような急斜面を走る。それを可能にしているのが車輪の間にある歯車。その歯車が線路の中心にある歯車の型とからみ、電車が滑り落ちないようにするのだ。その力強さはすごい。ちなみに氷河急行は歯車を利用して急斜面を登るため、場所によっては時速約30kmで走行する、世界で一番遅い急行電車なのだ。

「マッターホルンの麓、ツェルマット」
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ツェルマット

電車はVispから1時間半かけて終点であるツェルマットに到着。駅には日本語表記で「ようこそ」の文字が。そしてビックリしたのが、電光掲示板の上部に英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語と並んで日本語で「出発」と書かれていること。構内のアナウンスも日本語で流れている。

駅を降りるとなぜそこまで駅が日本語化しているか意味がわかった。日本人がたくさんいるのだ。ここツェルマットにはたくさん観光客がいるんもだが、その3分の1は日本人である。ここまで日本人がいるとさすがにビックリだ。

街の少し奥に行くと、アルプスの名峰といわれる「マッターホルン」が姿を現した。まさに天を突き刺すような山。急角度に伸びる三角形は本当に美しい。若干山頂付近に雲がかかっていたが、それでも十分にマッターホルンを楽しむことができた。

マッターホルンやその周辺の山々を一望できるゴルナーグラートという展望台へ登山鉄道で行くことができる。だが、その登山鉄道は往復68フラン(約6120円)。68フランは高い。ツェルマット周辺にはたくさんのハイキングコースがある。もちろんゴルナグラートまで行くハイキングコースもあるが、所要時間は4時間。現在3時。早歩きで行けば明るいうちにいけるかもしれない。もし行けそうになければ登山鉄道の途中駅から下に下れば良いと思った。

「アルプスを行く」
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ハイキングコース。奥は雪山。
斜体

インフォメーションでハイキングコースの地図をもらい、出発。ゴルナーグラードへ向かう看板があったのでそれに沿って山に登っていった。

最初は舗装された道路だったが、だんだん岩ばかりの道になって行く。最初の方はマッターホルンを見ることができたか、だんだん雲か山に隠れて見えなくなっていった。だが、代わりに新しく見えてきたのは谷の下にあるエメラルドグリーンの美しい川と断崖絶壁の険しい迫力のある山々。歩いてから2時間程経った。辺りは高い山が連なっているのでその分日が沈む時間は早い。反対側の山肌にはまだ明かりが照っているが、自分のいるところはすでに影に隠れて薄暗くなっている。

登山鉄道の路線沿いにあるコースを歩いていたつもりだったが、違うコースに入ってしまったらしく一向に駅が見えない。

向こうから2組の中年カップルが歩いて来たのであとどれくらいで近くに駅に行けるかどうか聞いてみた。
「2時間ぐらいかかるわ。今からじゃ暗くなって危険だから引き返した方がいいんじゃない。」
確かにもうすでに日が沈んで薄暗い。子供の時に山へ登っていた時代はあったが、それは家族と一緒。一人ではない。一人で山へ登る経験が全くない自分がこれ以上行くのは危険だろう。せっかくここまで来たが、忠告に従って麓に降りることにした。

「チーズフォンデュ」
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スイス料理チーズフォンデュ。ハーブ入り!

チーズフォンデュはスイスの代表料理。チーズ好きの自分にはたまらない料理。スイスに行ったら絶対食べたいと思っていた。

山から降り、ツェルマットの街を歩いてチーズフォンデュが売られているレストランを探す。だが、どのチーズフォンデュも2人分から。値段はもちろん2倍。50フランク(約4500円)程もしてしまう。

どこかに1人分ないか探すと、ツェルマットの大通バーンホフ通りの真ん中あたりにあった。

チーズフォンデュは普通のチーズフォンデュ、ハーブ入り、シャンパン入りのものがあった。普通のものは20フラン(約1800円)だったが、ハーブ入りは25フラン(約2250円)、シャンパン入りは30フラン(約2700円)。やはりスイス。高い。だが、せっかくなのでここはハーブ入りのチーズフォンデュを食べることにした。

自分がいつも食べていたチーズフォンデュはウインナーやポテトをつけていたが、本場のチーズフォンデュはパンだけを漬けるのか、パンだけ。これはメインディッシュになるのかとウェイターに聞いてみると、なるのだとか。スイス人はメインディッシュにパンとチーズしか食べないのか。

だが、流石に酪農王国スイス、チーズはとってもおいしかった。量が多く、癖があったが、最後まで残さずおいしくいただけた。やっぱりチーズは最高だ!

「宿へ、そして就寝」
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帰りの電車は外が真っ暗で何も見えない。長い間歩いていたので疲れてしまったので、いつの間にか寝ていた。気が付いたら終点Vips。そこからインターラーケンへ国鉄で移動する。

宿に着き、日記を書く。宿にはバーが併設されており、そこで日記を書いていた。何か注文しなければいけないような雰囲気で、何度も店の人(宿の人)に、
「何もいらないか」
と言われたがいつも断っていた。だが、こっちは宿に泊っている人間。ドミトリーでは誰かが寝ているのでパソコンは使えない。このバーでパソコンを使うしかないのだ。なのに宿の人のこの態度。あまり良い気分がしなかった。

バーは12時に閉まる。するとそこから追い出される。もっとゆっくり日記を書きたかったのに残念。仕方なく寝ることにした。

タケノコ

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