10月27日 エジプト(3)・カイロ:「カイロの裏」

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カイロの裏。裏というよりこちらが表かもしれない。

観光客が行くようなピラミッドや考古学博物館にはセキュリティーゲートがあり、ツアーリストポリスが警備に当たっている。

そしてそれらの観光スポットの中にいるのはほとんど観光客。彼ら相手に商売人が市場より少し高い額でお土産や飲み物、軽食などを販売している。商売人が強引に商売をしているところ以外は至って快適であり、治安も良い。

だが、そこから一歩踏み出すと別世界が広がっている。エジプトの「裏」だ。治安がそこまで悪いわけではないが、雰囲気はそれまでと一転する。道端にはゴミが散乱している。車も走るが、ロバや馬に乗って移動する者もいる。こうした場所にまだ慣れていない自分にとって、衝撃的だった。

「起床」
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エジプトはイスラム教国。夜明けには礼拝のお告げであるラマダーンが窓から大音量で聞こえてくるので、朝は大抵これに起こされる。

昨日は早く寝たので、今日は早起き。イスラム教徒と同じようにラマダーンによって起床した。

朝ロビーで日記を書いていると、ホテルに泊る英国人イスラム教徒に会った。これから礼拝に行くのだという。
「英国ではモスクがないから礼拝に行くのに毎日往復1時間かけて行ってるんだ。」
イスラム教徒の礼拝は一日に5回ある。つまり彼は一日に5時間も礼拝のために移動しているのだろうか。
「ここはモスクが近くにあっていいよ。」
彼はアラビア語を学びにここエジプトにやってきているのだ。イスラム教の聖書「コーラン」はアラビア語で読むことによって初めて意味がある書物だと言われている。彼はその「コーラン」をアラビア語で読むために勉強しているのだという。その信仰心の強さ、勤勉さには頭が下がる。

「日本国大使館」
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旅のルートにインドがあるが、まだビザを取っていない。エジプトでも取れると聞いていたので、まずインド大使館への紹介状をもらうため、日本国大使館へ行った。

日本国大使館は地下鉄の駅から徒歩10分程度の場所にある。周りには高層マンションが立ち並ぶがその周りには寂れた空き地が広がっているところに大使館はある。大使館の建物はとても立派で大きい。今まで見た大使館の中でも特に立派な方である。まだ日本に比べて貧しい人々が多いここエジプトにとってこの大使館は浮いた存在だ。地元住民からするとあまり気持ちの良いものではないような気がする。

中に入って申請書を記入。明日の午前中に受け取ることができる。紹介状を受け取ってインド大使館でビザを取得するまで必要日数は4日。それまでずっとカイロにいるのももったいないので、その間南エジプトにでも行こう。

「子供のひったくり」
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以前国際学生証を持っていたのだが、スペインで盗難に遭ったので今は持っていない。この辺りの物価自体が安いのでもう必要ないと思っていたが、観光地はどこもエジプトの物価水準より格段に高い。国際学生証があれば大活躍しているだろう。

だが、国際学生証は日本のみならず、ここカイロでも発行可能だということを聞いたので、早速情報を手掛かりに足を運んだ。

地下鉄の駅を降り、しばらく歩いていると、いきなり背中のカバンにある取っ手を思いっきり引っ張られ、取っ手の付け根が少し破れた。犯人は小学生だ。一緒にいた2人の子供は、
「ごめんなさい。本当にごめんなさい。」
と言ってきた。これはカバンを盗るのを失敗したからそう言ってくるのだろうか。もう面倒だったので無視して歩いて行った。すると後ろからまた彼らがやってきて、
「ごめんなさい。壊れたカバン、縫って直しましょうか?」
何かあったら面倒なのでいいと断ってそのまま立ち去った。
それ以後、あまり人気のない通りを歩く時は体の前にリュックを背負うようにした。

「国際学生証」
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National Bank of Egyptの2階に、国際学生証を発行する場所がある。古い国際学生証のコピーがあったので、それを証明に申請を行おうとしたが、
「学生証がないとだめよ。」
と言って拒否された。学生証がなくても作ってもらえる場所があると聞いていたが、ここは違うようだ。残念だが、ここは諦めた。

「オールド・カイロ」
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学生証を作れる場所から地下鉄の駅1つ分の距離に、カイロの旧市街があったので足を運んだ。

オールド・カイロまでの歩く道のりには、冒頭で紹介したような世界が広がっている。道端にはゴミが貯まり、どことなく汚い。どの年代のものかわからないような車の凹みをハンマーで修正したり、パンが売られていたり。ムスリムの女性が頭に荷物を載せて重たいものを運んでいたり。ここは一般庶民の生活する場であるようだ。

カメラを出すと、
「ここは写しては駄目だ。」
と注意を受けた時があった。カイロの市街ではあれほどカメラにウエルカムだったのに、なぜこういった場所に来ると駄目になるのだろうか。

オールドカイロの入口にはゲートがあり、多くのツアーリストポリスが警備に当たっていた。ゲートをくぐるとさっきのような汚さは消え、たくさんの土産やが連なるようになった。先ほどまでの風景とは別世界だ。

イスラム教徒が大半を占めるエジプトだが、ここオールド・カイロにはたくさんのキリスト教会がある。たくさんの聖人の姿が飾られているのだが、聖人の手に持つ聖書がアラビア語で書かれているのに少し違和感を感じたが、とても新鮮だった。

「アスワンまでの行き方」
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インドのビザを申請している間、エジプトの南方へ行くことにした。まず向かうところはアスワン。アスワンの先には、世界遺産「アブ・シンベル神殿」がある。是非とも行ってみたい。

アスワンまで行くルートは飛行機、バス、電車がある。飛行機は高いので問題外とし、バスと電車を比べてみた。

電車は1等2等があるのだが、外国人は2等に乗れない。1等の値段は167ポンド(約2505円)である。この値段ならもっと安いのがありそうだ。

バスの値段は100ポンド(約1500円)。こちらの方が1000円近く安かったのでバスで行くことにした。バスターミナルは最近できたようで大きなショッピングセンターになっている。内装はとても綺麗で、エレベーターにはなんとエレベーターボーイがいるほど。ゲームセンターもあったのだが、そこに置いてある機械が全て日本製の中古品だったのが面白かった。

「サファリ・ホテルへ」
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サファリホテルには色々な経験をしている人々が集まっているので話を効くのが楽しい。

イラクやイラン、北朝鮮に行ったことがある人に出会った。イラクは北のクルド人地区なら入ることができるという。クルド人地区は一番危ない地帯だと思っていたので、ビックリした。


今日はエジプトを肌で感じることができたように思う。だが、田舎の方に行けばもっとディープなエジプトが待っていることだろう。楽しみだ。

タケノコ

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