7月23日 5ヶ国目クロアチア(1):スプリット「もうひとつのヨーロッパ」

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スプリット港

「フェリーからいつ降りれるの?」
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私が起床した午前6時頃、フェリーはスプリット港に着いたようだ。私の手元のパンフレットを見る
と、船は7時に到着だったので1時間も早く着いたのかと思ってびっくりした。

船が着くとすぐに、
「まだ席を離れない
で下さい。」
とアナウンスが流れる。まだ出てはいけないのかと思い、しばらくシートに座ったまま待つ。

しかし、一向に出ても良いというアナウンスが流れない。何か聞き逃したのか、それとも聞き間違えたのだろうか。だが船内にはまだたくさんの乗客が乗っているのでまだだろうと思っていた。

時刻は7時、到着してから1時間が経った。出口を見ると、中国
人観光客の団体が皆で降りている。もう良いではないかと思い、船員に聞いてみると、
「8時半!8時半!お願いだから待っててください。」
と言うだけだ。なんだ!なんでここから出てはいけないのか。意味がよくわからない。再び他の船員に、私が持つパンフレットを見せながら聞くと、
「あなたの船はこの欄ではなくてこの欄です。この船はスプリット止まりではありません。この船は他の場所に8時半に出発するんですよ。もうスプリットには降りても良いです。」
と言う。なんだ!私が聞いた従業員
は私がもう一るの場所まで行くと思って、
「途中下船はだめですよ。」
という意味で言っていたようだ。私は慌ててフェリーを降りる準備をし、フェリーを降りた。私はあやうく8時半まで待ち、別の場所までフェリーで行くところだったのだ。

「素早い入国審査」
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慌ててフェリーから出てくると、陸地の従業員が、
「何でこんなに遅く出てきたんだ?寝てたのか?」
といわれる。私はこの複雑な状況を詳しく説明する英語力は持ち合わせていなかったので、笑顔でやり過ごした。

クロアチアの入国審査もいたって簡単だった。パスポートを手渡し、何も聞かれぬまますぐにパスポートを返される。ちゃんとパスポートにスタンプを押したかわからないぐらい早かった。荷物検査もない。
ギリシャではいちいちバックの中身をすべて出されたというのに。こんなに入国審査がゆるくて大丈夫かと疑ってしまう。
スプリットの露天商市場
「もうひとつのヨーロッパ」
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港を出て、まず次に向かうドブロクニクのバスはどうなっているのか聞
きたかった。港の係員にバス乗り場を聞き、バス乗り場の隣にあるチケット売り場へ向かう。

スプリットからドブロクニクへのバスは一日に何本も出ていた。ここスプリットより南には電車が通っていないからだろうか。私は一日最後の便、22時発のバスに乗ることにした。

ただ、このバスは4時間ほどでドブロクニクへ到着してしまう。到着するのは午前2時である。普通ならもっと早い時間のバスに乗って、ドブロクニクで宿を探すのだろうが、私は宿代を削りたかったので深夜のバスに乗り、ドブロクニクのバス降り場で一夜を明かすことにする。

バスチケットを買って、電車の駅にあるロッカーに荷物を置いた。ここのロッカーは24時間で15クーナ(約300円)である。イタリアの荷物置き場が5時間で4ユーロ(520円)と比べればかなり安価である。

荷物を置き、私はとりあえずお腹が減ったので、朝食が採れる
場所を探す。いつもスーパーで果物やヨーグルトを買って済ませているので、クロアチアでも同じようにできないか探した。

そしてしばらく歩いていると、巨大な露天市場が現れたのだ。野菜や果物、肉や服などの生活用品までありとあらゆる露天商が集まっている。こんな場所はアジアなどの国にしかないだろうと思っていたが、ヨーロッパにも存在した。少なくともイタリアには、こんな大規模な露天市場は目にしなかった。イタリアからアドリア海を隔ててすぐにあるのに、クロアチアの環境が大分違うようだ。

スイカにたかる蜂
露天商らしく、なんだか安い果物の中には腐りかけているものがある。切られたスイカにはたくさんの虫が付く。最初ハエかとおもいきや、ミツバチなのだ。ミツバチがたくさ
ん飛ぶ市場は初めてである。こんなスイカだが、買っていく人がいるから驚きである。ミツバチくらい付いても問題ないようだ。

私は新鮮そうなマスカットを500g7クーナ(140円ん)で購入し、近くの牛乳屋で2クーナ(40円)で売られていたヨーグルトを購入した。クロアチアの物価は想像していた通り、安い。私には大助かりである。

「スプリットの街並み」
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スプリットにはこのような刺激的な市場もあるのだが、実はとてもおしゃれな街だった。

海岸沿いにある通りは、道の敷石も、パラソルも、建物も全て白で統一されている。イタリアと同じく、古くからあるだろうたくさんの古風な建物も並んでいた。とてもきれいな街である。

たくさんのファッション店が並ぶ通りを歩くと、また独特の市場が現れた。その市場は魚市場である。午前9時頃、今が最も魚の上がってくる時間なのだろうか。どんどん魚が運ばれ、店にならんでいく。日本の魚市場のように様々なところから声が飛び交っていた。

魚はアジのようなものからアンコウのような変わった魚までたくさんの種類が並ぶ。さすが港町、とてもおいしそうだった。

クロアチアのビール。モンドセレクションのマークが!
「昼寝」
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私はあまりフェリーで寝ることができなかったので少し眠かった。海岸線沿いを歩いていると、
ちょうど良いベンチがあったのでそこで寝ることにした。

気持ち良く寝るために、クロアチアのビールをスーパーで購入した。値段はだいたい6クーナ(120円)と安い。私がビンで買うと、そこに2.1クーナ(42円)足された。この料金は何だと聞くと、ビンのデポジットだという。このビンをレシートと一緒にこの店に持ってくれば、返金されるのだとか。とても良い制度である。

私は昼間っから瓶ビールを片手に海岸沿いのベンチに座り、飲みほした。ビールはあまり冷えていなかったが、おいしかった。私が購入したクロアチアのビールには、あのモンドセレクションのマークが付いている。クロアチアのビールは世界に認められているようだ。

太陽が照りつけてとても暑かったが、ビールを飲んだので、私は酔いと疲れですぐに寝ることができた。

「ランチへ」
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1時間ほど寝た。暑さで汗だくとなっている。トイレに行き、鏡を見ると、サングラスをかけたまま寝てしまったので完全にパンダ焼けしていた…ついうっかり外すのを忘れていたのだ。それから外はとてもまぶしいのだが、パンダ焼けを直すために私はサングラスをかけるのをやめた。

時刻はちょうど12時頃。お腹が減ってきたのでランチを食べることにした。

やはりイタリアに近いからピザが人気なのか、とてもたくさんの手頃なピザ屋がある。値段は小さいサイズで7クーネ(約140円)、大きいものでも10クーネ(約200円)で食べることができ、イタリアよりお手頃だ。だが、私はイタリアで連日ピザばかり食べていたので、さすがにピザはやめ、ハムやトマトなどが挟まれているサンドイッチにした。

こちらのサンドイッチもとても大きさが大きくて12クーナ(約240円)だったのでランチにはちょうど良かった。トッピングとして何を挟むかと聞かれたが、何を挟んだらおいしいかよくわからなかったので、全部挟んでくださいと頼んだ。すると店員はケチャップやマヨネーズ、そしてトウモロコシにトマト、キュウリなど様々なものをトッピングする。出てきたサンドイッチはとてもボリューム満点だ。普段は大食いの私はとても大満足である。

世界遺産「ディオクレティアヌス宮殿」?
「スプリット市内散策」
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スプリット市内には、昔の街並みがそのまま残る場所がある。正直スプリットについてそこまで調べていなかったので、何か面白そうなところはないかどうか勘を頼りに歩いた。

しばらくするとここが観光スポットであろう場所にたくさん観光客が集まっていた。そこには大きな塔と教会がある。きっとこれが観光名所なのだろう。多くの観光客を捕まえようと、「ウォーキングツアー200クーナ」などと書かれている看板を持つツアーガイドもたくさんいる。

塔と教会には入場料がかかったので、私は外から眺めてその建物を堪能した。後から調べてみると、なんとそこは紛れもない世界遺産「ディオクレティアヌス宮殿」である。でも私は外から見て十分楽しむことができた。

少し歩くと、朝見つけた露天市場につながっている。私は日本から持ってきた帽子がボロボロになってしまったので、代わりに良いものがないか露天市場で探した。帽子を見ていると、露天商のお店らしく、私に気さくに話しかけて帽子を勧めてくる。だが、やはりトルコ人などのアラブ人のように、強引に売ってくるようなことはしない。私の買う意思がないとわかると、店の主人はすぐに諦める。私はこのような商売人に対して一番気持ち良く買い物ができる。全く声をかけてこなかったり、むちゃくちゃ強引の商売人ではなく、このように諦めは良いが積極的に品物を勧めてくる商売人が一番買い物しやすく、気持ちが良い。

数軒帽子屋を回ったが、あまり良いものが見当たらなかったので私は帽子を諦めた。

「やっぱりピザ」
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次の目的地、ドブロクニク行きバスは午後10時出発だ。その前に夕食を済ませようと、何か食べる場所はないか探した。

バス乗り場の近くにはファーストフードの店がたくさん並ぶ。やはりイタリアに近いからなのか、たくさんのピザ屋が並ぶ。正直イタリアでピザばかり食べたので、そろそろやめようと思っていたが、やはり値段も安くボリュームがあっておいしいので、私はまたもやピザを購入して夕食とした。ピザの種類は一つしかなく、トマトとチーズがたっぷり載ったものだった。値段は大きなサイズで10クーナ(約200円)。イタリアより安いようだ。

食べてみると、おいしいのだが、やはりピザはイタリアの方がおいしかった。この店だけかもしれないが、ピザの生地がパンのようにしっとりとしてもちもちしているのだ。「もちもち」とはおいしそうな響きだが、私はピザにはこのもちもち感よりも、パリッとした方が好きだ。

「ドブロクニク行きのバス」
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午後10時出発のドブロクニク行きのバスは午後9時頃バス乗り場に到着。バス乗り場の近くに、ロッカーに預けておいた荷物を取りに行き、準備をした。

載る前にトイレに行きたくなり、バス乗り場にあるトイレに行く。しかしそこはぺイトイレで、入るのに3クーナ払わなければならない。トイレでお金を払うのはなるべきなら避けたい。ノーペイトイレである。私はバス乗り場の近くにあるフェリーターミナルならば無料のトイレがあるだろうと思い、重い荷物をしょってフェリーターミナルに向かう。

行くと、こちらもペイトイレだったのだ。また違う場所を探すのも面倒なので、私は3クーナ(約60円)払ってトイレに入った。バスで寝るので、ここで歯磨きも済ませておく。トイレはちょうど清掃が終わった後のようで、とても奇麗で気持ちが良い。ラッキーである。

トイレを済ませ、私はドブロクニク行きのバスに乗る。荷物をバスの下に置くと、荷物の追加料金7クーナ(140円)支払うように言われた。何かとお金のかかるクロアチアである。

バスは定刻1分前に、ドブロクニクへ出発。到着は午前2時過ぎだ。途中外を見ると、小さな光がぽつぽつ光るだけだ。夜行ではなく、昼間の移動であれば、美しい景色を見ながらドブロクニクへ向かうことができたのかもしれない。帰りはぜひ昼間に行こうと思った。

バスに乗っている途中、一度パスポートの提出を要求された。最初はなぜだろうと思ったが、あとで調べてみると、ドブロクニクへ向かう途中、一度ボスニア・ヘルツゴビナを通過しなければならなかったからのようだ。ボスニアの治安は結構回復しているときくが、ついこの間まで紛争があった国を通るのはなんだか妙な感じである。

「バスターミナル泊」
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午前2時20分ごろ、バスはドブロクニクのバスターミナルに到着した。乗客はお迎えやタクシーでそれぞれの場所へ散っていく。

私はこのバスターミナルに泊まるつもりだ。他にも誰かバックパッカ―が泊まるだろうと思っていた。しかし、意外にも誰もいない。夜のバスターミナルで寝るのは私一人。クロアチアの治安は比較的良いといわれるが、クロアチアもユーゴ紛争があった地域。いまだに手りゅう弾や銃が国内に残っているという。

バスターミナルでうろちょろする男が一人いたときはさすがに警戒して眠らなかったが、彼が去った後、私は貴重品を抱えながらいつの間にか寝ていた。

タケノコ

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