8月6日 10ヶ国目アルバニア(1):シュコドラ~ティラナ「かつて鎖国をしていた国」

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アルバニア国旗と英雄スカンデルベク像
アルバニアについて調べてみると現在の北朝鮮のような国だったようだ。

アルバニアは強固な共産主義として知られ、ソ連や中国、隣国のユーゴスラビアをも批判。無神論者として国内の宗教を一切禁止し、他国との関係を断つ鎖国状態を作りあげた。だが、アルバニアは元々経済状態が良くない。鎖国政策によって中国から受けていた援助を断ったことによって、さらに経済が悪化。ヨーロッパ最貧国と揶揄されるまでに至る。

そしてアルバニアではなんと、国民の半分がねずみ講にはまり、経済が大混乱に陥ったという歴史がある。
ねずみ講とは、かつて日本でも流行った詐欺だ。「200円を5人に送金して会員を増やしたら、200万円手に入るよ。」というように、無限に会員を増やしていく。考えてみればわかるが、当然200万円手に入ることはない。だが、鎖国状態だったアルバニア人はこのねずみ講を一種の投資とし、金融・経済の知識がないのでどんどんはまっていった。ボスニア紛争が起きた時は、ねずみ講で集めた資金を使って武器を購入し、ボスニアに売って配当金を支払うことができたようだ。だが、ボスニア紛争が終わると、ねずみ講は破たん、アルバニア経済は大混乱に陥ったそうだ。

なんとも悲惨な運命を辿っている国だ。

現在でも他の欧州諸国に比べ、所得は低い。
だが、そんなの関係ねぇといわんばかりに、アルバニア国民はとても明るく、人懐っこい人が多い。道を歩いていると、多くの人が声をかけてくるし、街は歌と踊りで溢れている。愛国心が強いのか、家には国旗やアルバニアのマークがついた時計など、たくさんのアルバニアグッズが置かれている。
何があっても元気に過ごし、自国を愛するそんなアルバニア人が私は大好きだ。


「起床、そして出発!」
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今日は朝6時のアルバニア行きバスに乗ろうと思ったげれど、昨日の洗濯物が乾ききってなかったので12時30発に変更。それまでぐっすり寝た。

11時ごろ起きて出発、アルバニアに行くのには苦労したが、やっといくことができる。

バスターミナルから切符を6ユーロ(約720円)で買い、出発した。

「バスで出会ったオランダ人」
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バスのシートはなぜか日本語のひらがなやカタカナがデザインされたものだった。海外では日本語がかっこいいと思われているようだ。日本人としてうれしい。

席の隣にはオランダ人が座っていた。話しかけてみると、とってもノリの良くて優しい人。日本の映画について結構知っていて、「千と千尋の神隠し」や「リング」について語ってきた。
「日本人の作る映画は怖くてイカれているよ。きっと日本人がイカれてんじゃない?ハハ!」
「イカれているのは作った人だけだよ。」
自分も、作った人はイカれてる気がする。何を考えて作っているんだろうか。

オランダ人はメールアドレスを教えてくれた。あとで連絡をとってみよう。

「国境の街:シュコラダ」
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シュコラダ・カラフルな街並み
アルバニアの国境を渡ってバスが止まったのが、国境の街シュコラダ。首都ティラナまで行きたいが、バスはそこまで行かない。なんとかなるだろうと思っていたが、止まった場所がバスターミナルというわけでもないし、電車の駅も見当たらない。

とりあえずシュコラダの街をみてみようと思い、少し歩いた。アルバニアにある建物はとてもカラフル。さっきのオランダ人いわく、
「経済的には豊かじゃないけど、アルバニア人はこうやってカラフルに色を塗ったりして明るく過ごしてるんだよ。」
そう言われると納得する。建物は古いものがたくさんあり、その多くは共産党時代に作られた集合住宅。経済的に豊かとはいえないかもしれないが、その明るい色をした建物がたくさん立ち並ぶ風景には、さみしい雰囲気はない。元気なアルバニア人らしい発想であろう。

シュコラダの街をもっと歩いてみたい。だが、アルバニアに入るバスがなかなかなかったように、ここから首都ティラナへ向かう交通手段もあまりないんじゃないか。そんな不安がよぎった。

バスの降車場所に乗合タクシーが待機し、バスから降りてきた客を乗せている。ティラナまで2時間半で5ユーロ(650円)。そこまで高い値段ではない。ティラナまで行く方法がよくわからなかった私は、シュコラダ散策を諦めて、ティラナまで向かうことにした。

ちなみに、後でネットで見てみたところ、電車で行けば140円くらいで行けるそうだ。そこまで電車の運賃が安いとは知らなかった。

「首都ティラナへ」
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ティラナ・スカンデルベク広場

私が乗合タクシーに乗ろうとしたとき、タクシーは既に満席となっていた。だがタクシーの運転手は、後ろ
の荷物置き場のドアを開ける。中には椅子が置いてあった。この椅子に座われば乗れるということだろう。別にそこまで悪い席ではなさそうなので、私は乗合タクシーの荷物置き場に乗ってティラナへ向かった。

約2時間半後、乗合タクシーはティラナへ到着した。私たちが降ろされた場所はスカンデルベク広場。とても広い広場だ。旧社会主義国の広場はなぜどこもこんなに広いのだろうか。

バスの乗客が先に宿を予約しており、12ユーロで泊まれるという。ティラナのホテル事情を全く知らなかったし、その宿の近くに安宿が集中しているかもしれないので、とりあえずバスの乗客に付いて行く。

宿の名前は「Freedy's」。見てみると、外装はとってもきれいだ。辺りには安宿があるような感じはない。聞くと、12ユーロの部屋はまだ空いているというので、私はこのホステルに泊まることにした。

「ティラナ散策」
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ティラナ市内:広い通り。整備された都市だ。 

宿に荷物を置き、地図をもらって早速ティラナ散策に出た。

まず、アルバニアの通貨ルクを国際キャッシュカードを使って引き出す。両替屋に表示されているユーロの価格を基に、円でルクがどれくらいか考える。だいたい100ルク=100円くらいか。日本人にとってはなんとも考えやすい通貨であろう。

お腹が空いていたので、まず何か軽食を食べたかったが、あまり安そうな場所はない。もう少し奥の方に行って地元の人がたくさんいそうな場所で買った方がよさそうだ。

私は再びスカンデルベク広場へ向かった。やっぱり広い!そこから南へ向かうと大きな公園があり、そこには湖があると地図に書かれているので、そこに向かうことにした。

ティラナにあるものはでかいし広い!通りの幅も広いし、道に植えられている並木も高い!公園もたくさんあり、やはり広い。とてもよく計画して作った都市なのだろう。共産党時代に整備したのだろうか。この表通りを見ると、かつて欧州最貧国と揶揄されたアルバニアの面影は、全く見えない。

通りを南に抜けると、マザーテレサ広場というまた大きな広場が現れる。だが、この辺りは繁華街ではないからだろうか、人通りは少ない。ポスターが繰り返し貼られ、その跡がたくさん残っている壁があり、なんだか殺風景である。

広場の近くにパン屋があった。チーズのみのっているパンが50ルク(約50円)で売られていたので、早速購入した。レンジで温めてくれたのでとてもおいしい。

マザーテレサ像
マザーテレサ広場のさらに奥へと進むと、大きな公園がある。ここが私の目指していた場所だ。公園はあまり整備されていないのか、芝生は好きなように生えっぱなしだ。

公園には地元のおじいちゅんがたくさんいる。トランプや、チェスをして楽しんでいるのだ。なんだか和やかな雰囲気だ。

公園は山状になっていて、上って降りると、そこには大きな湖があった。湖の畔では、池の中でペットボトルとじゃれあっている。あまり池は奇麗に見えなかったが、犬は夢中だ。飼い主はいつまでたっても外に出てこない犬に困っていた。

ここは良いランニングスポットのようで、サッカーのユニフォームを着た少年たちが必死でランニングしていた。どこの国にもこのような風景はあるようだ。

「夕食」
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公園から帰る途中、小さな子供たちが私に声をかけてくる。
「日本人?中国人?」
「日本人だよ。」
「カンフー!カラテ!えいえい!」
そうやって空手のマネをする。私もマネをしようとすると、日本人はみんな空手ができると思っているからだろうか、子どもたちはビビッていた。かわいい子供たちだ。

道にピザ屋の看板と、値段がついたメニューが出ていたので、みてみる。なんと安いもの(マルゲリータ)で一枚250レク(約250円)、普通のピザでも300レク(約300円)。一枚とはひときれでなく、ピザ一枚全部である。安い!私はさっそく300レク(約300円)のミックスピザを頼んだ。

ピザ一枚自分で全部食べるとは贅沢である。もうお腹いっぱいで大満足である。

帰りにお約束のご当地ビールを飲んだ。やはりアルバニアにもビールはあった。500ml缶80円で購入し、飲んだ。アルバニアのビールはとてもおいしかった。

「優しすぎるイラン人」
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宿の部屋はドミトリー(共同部屋)。部屋に帰ると、韓国人の女性がいた。年齢は私と同じくらいだろう。私の姿を見るなり、なんだか嫌な顔をした。初対面で早々に、なぜだか知らないが嫌われたようである。男女相部屋というのが嫌なのか。それなら他の宿に行っていただきたいものだ。

もう一人、後からフランス人がやってきた。彼は小学校の教師をしている。小学校だから担当科目はなく、全ての科目を教えているのだとか。

イランから旅をしているようで、イランの話をしてくれた。イラン人は旅人にとても優しいという話を聞いたことがあるが、それは本当のようだ。

彼が道に迷っていた時、
「どうした?案内するよ。」
とイラン人が言ってきて、わざわざ車を出してくれたという。もちろんお金を請求されることはない。
さらに面白かったのが、彼がパン屋の長い列に並んでいた時、前の人がみんな、
「さきにどうぞ。」
「さきにどうぞ。」
と言って、先に行かせてくれたそうだ。なんとも優しいイラン人達である。

イラン人達はイランに関して外国の目を気にしているようで、
「私たちの国についてどう思う?」
と頻繁に聞かれたそうだ。やはり選挙による混乱が続いているので、物騒な国だと思っていたと正直に答えたようだ。だが、、
「イランに来てみて今は良すぎるくらいいい国だってわかったよ。」
と伝えたようだ。

ちなみに、彼いわく、イランには世界で一番美しい街があるのだという。

これは行くしかない!ヨーロッパを周遊した後、行くことにしよう。

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タケノコ

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