9月17日 フランス(2-1)カンヌ~ニース~モナコ:「南仏でバカンス:コート・ダジュールの旅」


モナコ

今回行ったのはコート・ダジュールといわれる地域。フランス随一のリゾート地で、富裕層が集まる避暑地として知られる。一年中日焼けしそうな強い日差し、ピンクや黄色のカラフルな建物。そして青い空、青い海。ここでの生活はまさにバカンスである。

この地域の中心となる街はニース。ニースの海岸には一面にビーチが広がり、もう秋だと言うのにたくさんの人々が日焼けや海水浴を楽しんでいる。ニースの魅力はその街。街の景観を美しくするためにトラムを蓄電池式にすることによってトラムの電線が一部取り外されている程。ニースの中心、マセナ広場はカラフルな建物と勢いある噴水が美しく、まさに南仏という感じである。旧市街の市場も活気に満ちあふれ、魅力いっぱいの街だった。

カンヌは世界的に有名な「カンヌ映画祭」が行われる場所。ここも高級リゾート地といった感じ。ニース程大きい街ではないが、海に沿った美しい街並みが広がっている。

モナコはヴァチカン市国に次いで世界で2番目に小さな国だ。とはいっても公用語がフランス語だし、通貨もユーロなのでフランスの一都市といった感じ。

小さい国ながら高級リゾート度は他のコート・ダジュールの都市に比べて群を抜く。大きな高級マンションがいくつも立ち並び、港にはこれでもかというくらい大きな私艇がたくさん並ぶ。沖を見ると大きいものから小さいものまでたくさんのヨットがう浮かんでいるのだ。このお金持ち達が集まる最大の理由はモナコを象徴する「グラン・カジノ」。夕方頃になると多くの高級車がカジノ近くに集まってくる。いればいるほど自分がいていいのかという思いでいっぱいになってくる国である。

さらに、モナコといえばF1。街にはたくさんのF1グッズが並んでいた。一度見てみたいものだ。

さてこのコート・ダジュール、一体どんな場所なのか。自分の目で確かめに行ってみた。


「起床」
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今日はフランスとイタリアの国境にあるVentimiglia駅にて起床。起きたらちょうど20分後にカンヌ行きの電車が出発する。急いでマットと寝袋をしまい、ホームに向かって電車に乗った。

「カンヌへ」
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カンヌ。奥にあるのが国際映画祭が開かれる場所。

国境からモナコ、ニース、カンヌの順で泊まるのだが、最初に向かったのはカンヌ。カンヌで荷物を預けてから他の2都市を回り、最後カンヌで荷物を拾っていこうと思ったのだ。

電車に乗った時刻は午前5時半頃。まだ外は暗い。電車は南フランスの海岸沿いを走る。時が経つにつれ、日が徐々に昇り、空はピン色。美しい海と空はとても幻想的だった。

その景色に身を寄せていたふが、いつの間にか寝ていた。昨日国境駅に到着したのは午前1時過ぎ、起きたのは午前5時頃である。あまり寝ていなかったので眠たかったのだ。

2時間と少し経ち、電車はカンヌ駅へ到着。あの有名なカンヌへやってきたのだ。とてもうきうきしてきた。

駅の荷物置き場をインフォメーションで聞くと、9時からだという。まだ時刻は午前8時。あと1時間もあるので、インフォメーションで地図をもらい、カンヌを散策することにした。

「朝のカンヌ」
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街を歩く。まだ朝なので通りには誰もいないし、店も閉まっている。とても静かな雰囲気であったが、街にゴミが散乱していることもなく、とってもきれいでおしゃれな雰囲気。さすが高級リゾート地といったところである。

海へ出ると、右手にカンヌ国際映画祭で使われる白い建物、Palais des Festivals et des congresが見えた。ここで毎年世界中の映画スターや監督が集まって盛大な映画祭が開催されると思うと胸が高鳴る。

建物の前にはすぐにビーチが広がっている。ビーチに足を運ぶと、二人の中年夫婦がやってきて泳ぎ出した。まだ朝8時半、しかも9月だ。まだコート・ダジュールに着いたばかりの自分は寒くないのかとびっくりした。だが、海の水を触ってみるとそんなに冷たくない。日が明けるにつれ、徐々に気温もあたたかくなってきた。この季節でもまだ海に入れることができるということをそのとき初めて実感できた。

「朝の海水浴」
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一人フランス人のおじさんがやってきて笑顔で何やらフランス語で話しかけてくる。フランスには移民が多いからだろうか、みなはじめフランス語で話しかけてくる。しかも人懐っこい人が多いので頻繁に話しかけられるのだ。自分の拙いフランス語で
「フランス語は話せないんです。すみません。」
と言うと、ああっと言って理解してくれた。

中年夫婦が泳いでいる姿を見ると、なんだか自分も泳ぎたくなってきた。

せっかく南フランスに来たのだ。泳がない手はない。幸い、今ビーチにいる数は一握り以下。これなら荷物を置いたままでも良いと思い、岩陰で荷物を置いて着替え、海へと向かった。

さっきのおじさんは今から自分が泳ぐぞという姿を見て
「そうだそうだ、いけいけ!」
というようなことを言う。肩までつかるのはつめたいと思ったが、おじさんの応援に答えるべく体全体を海につけてクロールをした。海はとても気持ちいい。最初はつめたかった海も、泳いでみるとへっちゃらだ。おじさんはこっちを見てガッツポーズしてくれた。なんだか嬉しかった。

「ニースへ」
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朝の海水浴をしたらちょうど10時を過ぎていた。駅へ戻り、荷物を預ける。カンヌ駅の荷物預り所もパリと同じように荷物のX線検査をする。自分の鞄の中にはキャンプ用のガス缶が入っていて、時々引っかかるのだが、今回はスルーされた。こういった検査は結構適当である。

ここのコインロッカーもパリと同様、72時間で4ユーロ(約535円)。長く使えば得である。

カンヌ駅からニースに行く電車に乗る。電車は約1時間でNice Ville駅に到着した。

「南仏の美しい街並み」
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ニースの街並み

冒頭でも紹介したとおり、このニースはコート・ダジュールの中心都市。駅を出るといかにも大きな都市という雰囲気だったのだが、一つの地方都市という感じでコート・ダジュールだという感じではなかった。

だが、メインストリートを進み、街の中心地にある広場へ行くと様子は一転。大きな噴水、良く整備された芝生、オレンジやピンクの建物。まさに南フランスのイメージがそのままあてはまるような場所である。ここへめとろが走るわけだが、冒頭で述べた通り、そこには街の景観を良くするために電線がない。街の景観を最大限に良くしようとする努力。日本も学ぶべきろころがあるのかもしれない。

「ニースのビーチ」
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ニースのビーチ

広場の奥に進むと、そこには大きなビーチがあった。真っ青な海と空。広大なビーチ。照りつける太陽の日差し。9月なのにまるで夏のよう。たくさんの人々が海水浴や日向ぼっこをしていた。

ここは自分も泳ぎたいところだが、残念ながら水着をカンヌのロッカーの中に置いてきてしまった。残念である。

「旧市街へ」
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ニースには華やかな雰囲気のある場所だけではなかった。ビーチの近くにはサレヤ広場と言う場所があり、そこにはたくさんの花屋があり、その隣には野菜、果物、そしてパンなどの日常品を売る市場がある。

自分は市場が好きだ。当然観光客はいっぱいいるのだが、地元の人も多い。地元のコミュニケーションや雰囲気、そしてどんなものが好まれていたりするのかといったことを感じることができるのが市場である。

ここの市場のパンやでは、ホールケーキ一つ分くらいの菓子パンがたくさん売れている。この辺りの人は甘党が多いのだろうか。自分は昼食としてピザを一枚購入。価格は1.5ユーロ(約202円)上に乗っているのは玉ねぎとオリーブのみ。味は薄めというところがフランスらしい。

「シャガール美術館」
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シャガール美術館
ニースにはシャガール美術館がある。自分はシャガールが好きな方なので早速行ってみることにした。

シャガールの青の色使い、ファンタジーな雰囲気、そして頭の中にあるイメージを包み隠さずそのまま絵にている感じが良いのだ。

自分の持つ『地球の歩き方:ヨーロッパ版』は08~09年版と比較的新しい。そこには学生入館料4.5ユーロ(約555円)と書かれているのだが、実際の入場料は7ユーロ程(約925円)。短期間で値上がりしたようだ。このような値上がりはこのシャガール美術館だけではなく、ルーブル美術館など様々な場所で起きていた。せっかくのユーロ安が台無しである。

「モナコへ」
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次に向かったのはモナコ。ニースから電車で40分ほどで着いたと思う。

モナコは世界で2番目に小さい国なのだが、有名なグラン・カジノを中心にして多くの富裕層が集まる街。地下にある駅から出て港を見渡すと、そこには大小様々なヨットが浮かんでいる。売店に行っても高級車の雑誌からヨット、クルーザー等の雑誌が殆ど。一般庶民にはあまりなじみのない雑誌類である。

駅のすぐ近くにはモナコの携帯電話会社があった。こんなに小さな国でも独自の電話会社等を持っているとは驚きである。需要はそこまであるのだろうか。

港周辺を歩いていると、スーパーを発見した。名前は「Casino」。フランスにもこのCasinoはたくさんあったが、このモナコでこのスーパーを見ると、どこまでカジノに染まっている国なんだという気がしてしまう。

スーパーの物価はいたってフランスと変わらない。むしろ安いものが並んでいる方である。自分はお腹が空いていたので1ユーロ(約135円)分ブドウを買うことに。レジに向かうと、白シャツを着た親父がアメックスのゴールドカードを出して支払を済ませている。こんなに金持ちっぽい人を見るのは久し振りだ。

「王宮の丘へ」
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モナコには丘の上に大きな王宮がある。丘からの眺めもよさそうなので、さっそく登ってみることにした。

急な坂道を登ること10分、丘の上に到着。その丘からはモナコ全体が見渡せる。回りは山に囲まれているモナコだが、海沿いになると急にたくさんの建物で犇めき合うのだ。この小さな国にたくさんの高級マンションが並び、クルーザーやヨットが海に浮かんでいる。この国に住むことができるのは富裕層の特権だといわんばかりの眺めである。

「モナコ大聖堂」
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丘のすぐ近くには小さな路地が広がる街がある。旧市街といった雰囲気。だが、やっぱりモナコというべきか、街は整備されてどこを歩いてもきれいな建物が建っていた。

旧市街を抜けるとモナコ大聖堂があった。中に入ってみるとモナコの国旗とバチカンの国旗が交互に飾られている。この大聖堂はカトリックなのだろうか。だが、小さな国ランキング第一位と第二位の国旗が並んでいる姿はおもしろかった。

教会の奥には墓が並んでいた。ある墓にはたくさんの花が供えられている。この人はとても良い人だったのだろう。一体誰なのだろうか。

「ショッピングセンター」
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この小さな国モナコにもショッピングセンターがあり、この国唯一のマクドナルドがある。こんなリッチな国にもマクドナルドがあるとは驚きだ。マクドナルドの中を見てみると時間帯のせいもあるかもしれないがそこまでにぎわっている様子はないなかった。

このショッピングセンターにはレニエ公クラッシックカー・コレクションという博物館がある。王室個人のコレクションが飾られているのだから入場無料だろうと期待したが、その自慢のコレクションを見るには5ユーロ(約675円)お金がかかる。見てみたかったが、今回は諦めた。

今日は早朝に起きたので非常に眠い。限界が来たのでショッピングセンターのベンチでひとまず寝た。

「グラン・カジノ」
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グランカジノ

1時間ほど熟睡していたようだ。空を見るとオレンジ色の光が強くなっていた。

ショッピングセンターを後にし、次に向かったのはこのモナコの象徴「グラン・カジノ」。このカジノ、夕方頃になると富裕層が高級車で続々とカジノの中へ入って行く。今ちょうど夕方なのでその光景を見ることができるわけだ。

カジノの前に到着すると、その通り、多くの高級車が続々とやってくるではないか。中に入って行くのは盛装をした紳士・淑女達。中には着物をきている日本人の姿もあった。

だが、意外にもそんな人々ばかりではなく、Tシャツを着ている人だって中に入っている。その人たちが中から外に追い出されて出てくることはなかった。正装をしなくても入場可能なのだろうか。

ただ、『地球の歩き方:ヨーロッパ版08-09年』によると、入場料金が10ユーロからかかるという。ちょっと中をのぞいてみたかったが、ここは止めておいた。

建物はとても豪華。パリにあるオペラ座を設計した建築家が作ったのだという。まるで宮殿のような外見。まさに高級社交場にふさわしい場所だった。

「マルセイユへ」
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グラン・カジノを外から見物した後、電車でカンヌへ戻り、ロッカーの荷物を取る。そして40分程待ち、自分はフランス第二の都市マルセイユへ向かった。

タケノコ

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