8月13,14日 ルーマニア(1,2):首都ブカレスト 「かつての小パリ」

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国民の館。世界で2番目に床面積が広い建物


当初、私は知識がなかったので、ルーマニアには別に観る所は特にないものだと思っていた。

だがそれは完全に思い過ごしだった。ルーマニアには7つの世界遺産があり、首都ブカレストはかつて小パリと言われた程美しい街だったそうだ。ルーマニア第2の都市ブラショフには中世の街並みがそのまま残る歴史的な街があるという。

東欧だということもあって物価も安い。私のような旅行者にはとても優しい国である。

今回はそんなルーマニアの首都、ブカレストに足を運んだ。

「ブカレスト駅到着」
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ブルガリアのリーセから夜行列車でブカレストの駅に着いたのは朝6時頃だっただろうか。まだ朝早かったので少し眠たい。ブカレストでは宿に泊ってゆっくりしようと思っていたので、私はまず宿を探す。

正直ブカレストの宿を何も調べていなかったので、まずインターネットで宿を探そうと、インターネットカフェを差がいた。

だが、なかなか見つからない。駅の周辺にもないし、1時間くらい歩いてもまだみつからない。いつもなら駅の近くにあるのに、ブカレストに限ってないのだ。

歩いている途中、たくさんの野良犬を見た。そしてその野良犬達は、重たい荷物を持つ私の姿を見るなり、大きな鳴き声で吠えてくる。そして背を向けると私に向かって走ってくるのだ。回りにも通行人はいるのに、なぜか私だけに襲いかかってくる。荷物の中に食べ物が入っているからなのか、荷物を持っていて動きが鈍そうだからなのか。よくわからないが明らかに犬に身分が下と見られている。初対面で下に見られるとは気分が悲しくなるばかりだ。

市の中心街に入り、やっとのことでインターネットカフェを発見。中に入ってホテルを探した。すると、ちょうど近くに12ユーロで泊まれるホテルがあったので、私はそこへ泊まることにした。

「The Midland Youth Hostel」
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ホステルの窓から
私が選んだのは、Midland Youth Hostel。一泊12ユーロ(約1560円)。このホステルは、私が最近利用するホステル検索サイト「Hostel & Youth Hostel Worldwide」の、2008年度ルーマニアベスト賞を獲得しているホステルだった。期待は膨らむ。

ホステルのレセプションに行き、受付を済ませると、レセプションはこのあたりの主要観光スポットや、バックパッカーに欠かせないスーパーマーケットの場所等を地図が書かれた紙を渡して説明してくれた。さらに、世界で2番目に床面積が広いブカレストの名所「国民の館」の入場予約もしてくれるという。学生は無料で入れるというのでさっそくお願いした。なんともサービスが良いホステルである。さすがベスト賞を獲得しているホステルだけある。

ドミトリーにいたのは、短髪で豹柄に染めてごつい体をしたスイス人と、イケイケっぽい英国人2人である。最初この人たちとは趣味が合いそうにないと思ったが、話してみると外見によらずとても親しみやすい人たちだった。

英国人の一人はアニメーションを学んでいて、卒業制作か何かで昼夜を問わずアニメーションにどっぷり浸かっていたので、そのリフレッシュのために旅行をしているのだという。
「俺はNARUTOが好きだよ。アニメは見るの?」
イケイケのお兄ちゃんがNARUTO好きとは意外である。

「公園で一休み」
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私は宿に紹介してもらった旧市街などを歩いた。旧市街は道路の舗装工事中で足場が悪かったが、画材や絵がたくさん売られている場所があったりして楽しむことができた。

ブカレスト市内にはたくさんの広い公園がある。旧市街を抜けた後、広い公園があったので、芝生の上でぐっすり寝た。

1時間ほど寝ていただろうか。起き上がると公園の警備員と目が合い、警備員は自分の方に向かってきて、
「ここで居眠りしちゃだめだよ。」
という。ここは居眠り禁止の公園なようだ。なぜ居眠り禁止の公園があるのだろうか。理由はよくわからない。

「夕食」
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作ったタイカレー

宿の人にスーパーを教えてもらったし、宿にキッチンもあったので今日は自分で料理を作ることにした。

作ったのはタイ・カレー。タイカレーのペーストが5レイ程(約150円)で売っていたので、久し振りにカレーが食べたいと思って作った。
材料は、パプリカ、玉ねぎ、ニンジン、そして生肉を少量で会ことができなかたので、お惣菜のチキンオーブン焼きで代用した。野菜はやはり安く、全部で100円もしない。チキンは130円程だった。

タイカレーなので香辛料が強かったが、なかなかおいしい。鍋でご飯を作るとお焦げができるのでそれがまたおいしさを増した。我ながらとても美味しくできた料理である。

夜は宿の人々と一緒に談話したり、宿にある映画『英雄(ヒーロー)』を見たりして過ごした。とても雰囲気の良い宿である。

ちょっと気になったのが、レセプションの女性が恋人とよくイチャイチャしていること。やっぱり欧米人は日本じゃ考えられない程オープンである。

14日

「凱旋門へ」
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ブカレストの凱旋門
次の日には、前日あまり行わなかったブカレスト観光をした。かつて小パリと言われる所以だろうか、ブカレストにもパリと同じように凱旋門がある。

市内から少し離れているので、宿の近くにあるUniversity駅から北へ3駅地下鉄を利用する。ブカレストは地下鉄網が他の都市に比べて発達している。

駅から降り、10分程度あるいた場所に凱旋門はあった。パリのものはまだ写真でしかみたことがないが、比べるとブカレストの凱旋門の方が小さくシンプルなような感じがした。















「国民の館」
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国民の館

国民の館は、政府や国会、政党会館などがすべて入る、世界で2番目に床面積が広い建物。元共産党の大統領が、権力を誇示するために作らせた。なんと建物の中には約1300室もあるというのだ。中には大きなホールがあるので、そこでコンサート等も行われているのだとか。ただ、この建物は施工以来20年以上経つが、いまだに完成には至っていない。完成させる資金的な余裕がないので、完成予定日は未定である。ちなみに一番床面積が広いのは、アメリカの国防総省、通称「ペンタゴン」である。

宿の人に入館の予約を取ってもらったので、早速行ってみた。

実際に見てみるととてつもなくでかい。国民の館のまわりは塀で囲まれており、中に入るための門を探すのに広くて苦労した。

中ではパスポートを預けさせられ、ツアーに参加し、ツアーの輪から出てはいけないとツアーガイドに念を押された。政府の建物だけあってセキュリティーは厳しいようだ。

内装は豪華極まりない。壁や床一面に大理石が贅沢に使用され、大きなシャンデリアがたくさんある。そして驚くべきことは、この建物の建築資材すべてがルーマニア産だということだ。こんなに大きな建物を建てるための大理石等がルーマニアの大地にあるとはすごい。

ツアーは1時間ほどで終わった。無料のツアーだったが、とても充実したものである。

「ブラショフへ」
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そして私は17時半ごろ、ブカレストの駅から電車でルーマニア第2の都市ブラショフへ向かった。4時間ほどの距離で料金は約30レイ(約1000円)。

電車は相席の個室がたくさんある列車。古いタイプの列車だと、このタイプの電車が多い。電車の窓は開閉自由で、そこから顔を出して外を眺めることができる。それがなんとも心地よい。

ブカレストからブラショフの間にはたくさんの山が広がる。電車はその山の間を走るので、景色はとても良い。こうしてゆっくりよい景色を眺めることができるのが、電車の良いところである。

ただ、個室にうるさい人がいるとやっかいである。自分の個室には携帯電話で長時間しゃべる男がいたのでとても迷惑だった。私も含め、回りの客が嫌な顔をしたので男はどこかへ行った。ルーマニアにも車内の携帯電話マナーは根付いているようである。

タケノコ

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