8月20日 スロバキア:首都ブラチスラヴァ&オーストリア:首都ウィーン 「音楽の都」

今日は一日に二つの首都を回った。二つの首都といっても、その距離は電車で一時間程度である。

ブラチスラヴァはスロバキアの首都だが、都市というより一つの地方都市といった規模の大きさである。スロバキアはチェコ・スロバキアから分裂してできた国。分裂する前までは地方都市だったのだから、規模が小さいのは当然なのかもしれない。市バスには「Litele Big City ブラチスラヴァ」と書かれている。

街の横にはドナウ川が流れ、ハンガリーのブダペスト、そして次の行先ウィーンと繋がっている。ドナウ川に走るフェリーを使ってブタペストからブラチスラヴァ、そしてウィーンに行く手もある。

ちなみにスロバキアはOECD、通称『先進国クラブ』に加盟している、立派な先進国である。

ウィーンはオーストリアの首都。言わずと知れた「音楽の都」。モーツァルトをはじめ、ハイドン、ヴェートーベンらが活躍した。街の中心には、ヨーロッパで絶大な権力を握っていたハプスブルク家の住まいだった王宮がある。ウィーンは歴史を感じさせる建物がたくさんあるが、どれも奇麗に整備されているので街がとても美しい。モダンな建物やデザインも街のあちこちに見られ、新旧がうまく調和している。街は気品に満ちあふれ、別に自分がそうではなくても、エレガントになった気分になれる街だった。


「ブラチスラヴァ駅起床」
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ブラチスラヴァ駅でも良く眠れた。だが、朝になると人が多くなるので、そこで堂々と横になってねるのも難なので起きなければならない。ゆっくりごろごろ寝れないのが野宿の宿命である。

起き上った後、さっそく市内を散策することにした。地図がないまま適当に歩いてみる。街の中を歩いても大きなビルがたくさんあるわけでもなく、そこまで大きな街ではないようだ。

私がまず向かったのが、ドナウ川。どこに行ってもドナウ川が大きく、とても美しいのだ。それに冒頭でも述べたとおり、このドナウ川にはフェリーが走っているので、できたらフェリーでウィーンへ向かいたかった。

地図はなく、朝早いのでインフォメーションも開いていないので、街に出て適当に歩いてみる。だいたいの邦楽がわかればドナウ川に着くのはたやすいと思ったのだ。だが、街の道は曲がっているものが多くてなかなか方向をつかめず、ドナウ川まで時間がかかってしまった。

行く途中、スーパーでパン2つとパンをつけるペースト1つ、そしてヨーグルトを買った。全部で1ユーロ程。やはりスーパーはどこでも安い。

朝食を食べたあと、急にトイレに行きたくなった。だが、なかなか街の中にトイレがない。朝早いので全部の店がやっているわけでもない。すでに開いていた銀行等に頼んでもトイレを貸してくれなかった。相当困ったが、幸い近くにバスターミナルがあり、そこにトイレがあったので駆け込むことができた。旅をしていると、私はよくトイレの場所に困るのだ。

トイレは当然のようにチップトイレ。確か30セント程(約42円)。安いのだが、日本ではどこでも無料で利用できるトイレにお金を支払うのはなんだか気が引ける。

「ドナウ川へ」
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ドナウ川はブタペストのそれと同じようにとても川幅が広く、ゆったりとしている。ただ、ブタペストと違ってこのブラチスラヴァの川沿いはあまり栄えていなかった。

ドナウ川沿いを歩いていると、ウィーンまで行くフェリーフェリー乗り場があった。ここからウィーンまではあまり離れていない。値段もそんなに高くないだろうと思ってフェリーの出航時間と運賃を調べてみる。

フェリーの運賃は14ユーロ。そんなに悪い価格ではない。ここはフェリーで行こうと思って時間を調べたが、出航時間は午前9時発のみだった。時刻はすでに9時20分。残念ながらあと一歩遅かった。

「ブラチスラヴァ城」
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ドナウ川を歩いた後、ブラチスラヴァの街に入る。街は他のヨーロッパ諸国と同様、歴史がありそうな建物がたくさん並んでいる。通りは噴水があり、並木もしっかりと手入れがされていた。

通りを抜けると、大きな教会があり、その近くにある丘の上には、この都市にあるほぼ唯一といっていいほどの観光地であるブラチスラヴァ城がある。

この城は四角く、城の四隅に配されている塔をテーブルの脚に見立てて、「ひっくり返したテーブル」という愛称を持つ。だが、残念ながら私が訪れた時は工事中だった。限られた観光地の付加価値を高めようと国が躍起になっているようである。

城は丘の上に建っていて、その丘から見えるドナウ川の景色はとても美しい。私は城よりこの景色の方が好きだ。

「大統領官邸の衛兵」
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城から駅に向かう途中、大統領官邸があった。どこの国でも、政治のトップが住む場所は豪華である。この国も同じであった。

官邸の前には衣装を着た衛兵が二人建っている。帽子に羽根が付いていてかっこいい。片手にはこれまた古そうな銃を持っている。この銃は今でも使えるのだろうか。

このような衛兵はヨーロッパ各国に存在するが、私は彼らを尊敬する。こんなに暑いのに暑そうな格好をしたうえに、全く動かないのだ。彼らが任務中に動くことはあるのかと思うくらいである。私には到底真似できることではないだろう。

「ウィーンへ」
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大抵の都市にはインフォメーションがあり、そこで地図が貰えるのだが、このブラチスラヴァではインフォメーションを発見することができなかった。なので私は今だに地図を持っていなかったので、駅への道が正確にわからない。また迷って時間を食うのも嫌なので、バスに乗って行くことにした。ブラチスラヴァのバスは一回1ユーロ(約135円)。これならばと思った。

国によってバスチケットの買い方は違う。日本だったら車内で支払うが、ヨーロッパは車内で買えず、バス停の券売機やバス停近くの売店で購入しなければならない時も多い。今回もバス停で買うことができなかった。

私がチケットの買い方がわからず困っていると、ブラチスラヴァの人はとても親切に教えてくれた。

駅に着き、電車の時刻を調べ、切符を購入する。値段は11ユーロ(約1400円)。1時間の距離にしては高い。そろそろ物価が上がってきたようだ。

電車に入いり、席に着くと、一人の白人のおばさんが私に向かって、
「1ユーロもってない?あと1ユーロでウィーンに行けるのよ。」
と私に言ってきた。なんとずうずうしい人だろうか。私の席の近くにいた女性も、身振り手振りで、「彼女にかばうな」と伝えてくる。異国を旅する私に気遣ってくれているのだろう。
理由はどうあれ、見知らぬ人にお金を軽い感じで求められるのはいい気分がしない。私はもちろん断った。

「物価の高いオーストリア」
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ウィーンに向かう電車は新しく、快適だった。徐々に先進国に入ってきたという感じである。電車は約1時間でウィーン南駅に到着した。

オーストリアはユーロ圏。ユーロ圏は基本的に高い。オーストリアはどうだろうか。

駅前のパン屋。東欧なら菓子パンが50(65円)セントあれば買えるのだが、ここでは最低1.2ユーロ(約156円)。スーパーでビールの値段を見てみると、どれも1.5ユーロ(約170円)程した。イタリアなら1ユーロ以下で買えたのだが、ここはイタリアより高いようである。

市の中心街へ向かう。中心街までは少し距離があったのでトラムを使ったのだが、そのトラムは一回1.8ユーロ(約250円)。駅の券売機で買うとこの値段だが、トラムの中にある券売機で買うとさらにアップして2.2ユーロ(約290円)もする。こんなに高い公共交通機関は日本以来である。

「新旧が調和する街」
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トラムに乗って市の中心街へと向かう。そして窓を眺め、私は驚いた。窓から見えるのは真白な美しい建物群。ペンキが何度も重ね塗りされ、色がはげているような建物はなく、きれいな白や薄い黄色い石でできた建物ばかりだ。こんなにきれいで整っている街は初めてだ。

トラムを降りると、目の前には同じ形をした巨大な宮殿のような建物が2つあった。

交通機関情報:ブラチスラヴァ~ウィーン

フェリー(ドナウ川)14.00ユーロ
※朝9時発のみ
バス7.70ユーロ
電車11.00ユーロ
※バスと電車の駅は離れている。

タケノコ

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