9月3日 オランダ 首都アムステルダム:「チーズの国」


オランダと言って思い浮かぶものといえば、風車、チューリップ、木靴などとたくさんあるが、自分が最初に思い浮かんだのはチーズ。自分はチーズが大好きなのだ。

オランダのチーズ屋やスーパーに行くと、大量のチーズが売られている。こんなにたくさんのチーズを一度に見たことはないほどだ。

ダルマ落としの一駒のような形をした大きなチーズ、カマンベールチーズ、ブルーチーズ、モッツァレラチーズ…数や形を挙げればきりがない。スーパーに行くと食べ切りサイズのチーズが1ユーロ(約135円)程から売られているので嬉しい。オランダにいると大好きなチーズを毎日食べられそうである。

オランダが発祥のキャラクターといえばミッフィー。小さいころにアニメを見たことがある。あのシンプルなデザインがいい。

そして、オランダは驚くべきことに同性間の結婚が認められている国でもある。首都アムステルダムに行くと、そのような感じの二人組が結構いたりする。他の国では考えられない程とってもリベラルな雰囲気だ。


こっからは少し堅い経済の話。

オランダは小さいながら経済的に大きな国と言われる。歴史的には株式会社の発祥の地であるし、電機のフィリップス、石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェル、ビールのハイネケンなど、小さな国ながら世界的な大企業が多い。

外資系企業を呼び込むために、実行法人税率を25.5%と欧州の中でも低い水準に設定している。ちなみに日本の実行法人税率は40%である。アムステルダム南駅付近には多くの外資系企業の姿があるのは、この政策が成功している証拠だろう。


そんなオランダとは一体どんな国なのだろうか。自分の目で確かめに行ってみた。


「アムステルダム中央駅到着」
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アムステルダム駅に到着したのは15時頃。昨日の夜ポーランドのワルシャワを出発し、ドイツを横断してここまでやってきたわけだが、出発からここまで16時間も電車に乗っていた。こんなに電車に乗り続けたのは初めてである。

だが、ドイツの電車だったのでとても快適だった。電車の質は今のところドイツが一番、次にデンマークといったところである。正直日本の電車よりドイツの電車の方が快適だ。

アムステルダムに到着して荷物をロッカーに預ける。ロッカーはクレジットカードしか受け付けておらず、しかも24時間4.7ユーロと他国に比べて高い。オランダは物価が高いようである。

「オランダ一(いち)のフライドポテト?」
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駅の前に広がる通りを歩いていると、なにやら長い行列がある。その先はフライド・ポテト屋だ。看板を見ると、「オランダでNo.1に輝きました」というようなことが書かれている。何で一番をとったのかよくわからないが、一番といわれれば試してみるしかない。

15分ほど並び、フライドポテトのスモールサイズ(2.4ユーロ:312円)を頼む。ソースは別売り50セント(約65円)で、ケチャップを載せてもらった。

食べてみたが、表面はカリッとしてて、中は程良い柔らかさ。マックのあのふにゃふにゃフライドポテトとは違い、歯ごたえもある。確かにとても美味しかった。

「大道芸人」
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まず向かったのは王宮。だが、王がここに住んでいるわけではなく、現在は迎賓館として使われているようだ。表面の細かな彫刻がとても印象的である。

王宮の前にあるのがダム広場。そこで自分がちょうどダム広場に行った時に大道芸人がパフォーマンスをやり始めた。

「どうもこんにちはみさん!アムステルダムへようこそ!」
マイクを持った黒い革ジャンを着るモヒカン頭のイケイケな親父がテンション高く英語で通行人に呼び掛ける。すると通行人はその男の辺りに集まってきた。

イケイケ親父は観客の中から一人の女性を選ぶ。
「大丈夫。何も悪いことないから。俺が約束するよ。」
そういって女性を連れていく。

するとイケイケ親父は服を脱いで上半身裸になる。その裸体には全身に入れ墨が入っている。すごい体だ。そして先端がオイルで浸されている棒に火をつけ始めた。
「みてろ!」
その燃える棒を突然口の中に入れて消したのだ。なんとも大胆な大道芸である。

そして今度は女性に棒を持たせ、口に入れて消すのだという。
「お前を信じてるぞ。しっかりと持つんだぞ!」
棒が少しでもぶれたら危ないようだ。女性はしっかりと棒を持ち、イケイケ親父は見事に棒の火を消した。だが、表情と見た目からとっても熱そうである。

正直なところ、イケイケ親父のキャラクターにインパクトはあったものの、この芸自体にそこまでインパクトはない。ただ火を口に入れて消すだけである。体を張っている割にはなんだか微妙な演技だった。

「アムステルダム市内観光」
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まず向かったのはアンネ・フランクの家。まだ自分は読んだことがないのだが、『アンネの日記』の舞台である。本に出てくる隠し扉等が今でも実在するそうだ。だが、残念ながら人がたくさん並んでいる。料金も7.5ユーロ(975円)と高いので、諦めることにした。

今日は雨が降ったりやんだりの繰り返し。この旅の最初の一か月は雨が全くと言っていいほど降らなかったのでが、ここ最近は1週間に一回程度降るようになってきた。曇りの日も多い。同じ欧州でも気候は場所によってだいぶ違うものだ。

小雨の中見つけたのは切手市。アムステルダムには美術市やノミ市、花市などたくさんの市場がある。切手市もその中の一つ。だが、雨が降っているからだろうか、路上に切手市の姿は見当たらない。だが、通りには数件の切手屋が開いていた。切手やコイン、古い株券までさまざまな古い小物が売られている。使用済みのポストカードも売られているのだが、これは一体どこから集められたのだろうか。ポストカードにはもちろん文章と宛名が書かれている。自分は読めないからいいが、オランダ人が知り合いのポストカードを発見した時にはどんな気持ちになるのだろう。

「ゴッホ美術館」
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次に向かったのはゴッホ美術館。ゴッホの代表作「ひまわり」や、ゴッホが日本の浮世絵に影響された作品等が並べられている。この美術館、世間を騒がせたあの黒川紀章が設計したものなのだとか。ゴッホ自身だけでなく、この美術館も日本に影響されている。そう考えると日本の世界における文化力はすごい。

ゴッホの独特な作風は好きだ。特に薄いピンク等で点線のコントラストがはっきりしているようなものが良い。ゴッホによる浮世絵模写は、また独特な良さはあるものの、絵のまわりに書かれている漢字が大きく崩れているのを見ると、日本人の自分からすれば少しおかしかった。

ゴッホはとても短い人生を送っているのだが、それでも何千という作品を描いているところがすごい。きっと時間を惜しんで絵描きに夢中だったのだろう。自分も、趣味や仕事に没頭して毎日が夢中になれるような人生を送りたい。

「アンティーク通りの絵」
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ゴッホ美術館の近くに国立ミュージアムがある。大きくて美しい建物のようだが、現在工事中で外観がほとんど見れなかった。残念だ。

次に向かったのがアンティーク通り。アンティーク通りには文字通りアンティークがたくさん並ぶほか、古美術から現代美術までのたくさんの画商が店を構えている。自分はどちらかというと現代美術を見る方が好きなので、その店の前にいくとつい立ち止まってしまう。

最近の現代美術は「ゲテモノ」系が評価されているのだろうか。なんだかショッキングな色使いをしていたり、ホラーのワンシーンを絵に取り入れたようなものが多く存在した。自分はそのような絵が大嫌いだ。なぜこのような絵が評価され、売られていくのだろう。ゆずのジャケット等を多く手がける●●のギャラリーもアムステルダムにあったのだが、●●の作品にもそのような作風が多く見られる。なぜこの作家が評価されるのだろうか。理解に苦しむ。

「ノミ市」
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次に向かったのがノミ市。ノミ市には新品から古着まで多くの服が並んでいる。このような場所は見ていて飽きない。これは自分に合うのか、合わないのかと思いめぐらせながら歩くのは楽しい限りだ。

市は露天商の集まりなのだが、やはり東欧やトルコ等とちがって露天商がしつこく迫ってくることはない。日本と同じような「店員」である。なのでとても露天商を見回り易かった。

「夕食」
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今日の夕食は、自分の大好物であるチーズをたっぷり味わった。レストランで頼むと高くつくので、スーパーで3種類のチーズと燻製ハム、ミニボトル赤ワインを購入してアムステルダムに広がる運河の畔で味わった。

近くをカップルが通り過ぎると少しさみしい思いになる。だが、オランダを満喫しているようでとても気分が良くなった。

チーズはカマンベールチーズとブルーチーズ、そしてこしょうの効いたスライスチーズ。チーズだけではさみしいのでハムも購入し、フランスパンと一緒に食べる。赤ワインは3ユーロ(約400円)と安いものだったが、おいしく味わえた。

自分が今まで買った赤ワインには甘いものが結構あった。甘いワインはあまり好きではないので、ワイン担当のスーパーの店員に甘くないワインはどれかと聞いてみたのだが、
「赤ワインは全部ドライで甘くないよ。」
と言い張る。それでは自分の飲んだワイン数本は何だったのだろうか。だが、幸いにも今回のワインは甘くなかった。

「我が旅ポリシー」
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今日も駅で寝た。やっぱり宿にお金を使うより食事などほかの事に使って旅を楽しみたい。それが自分の旅ポリシーである。

幸いにもこの駅にはシャワーが完備されている。1回5ユーロ。西欧ならば妥当な値段である。野宿をしていると、全ての駅やバスターミナルにシャワーが付いているわけではないのでシャワーが浴びられない日もある。

シャワーに限らず、多くのことが野宿の場合不自由となるのだ。だから自分は、この旅を通して日本の日常で当たり前だった数々のことに対して有り難味が生まれてきた。こうした発見をすることができただけでも、この旅を始めた価値はあったと思う。

やっぱり旅は楽しいものだ。

タケノコ

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