8月27日 スウェーデン(2)首都ストックホルム:「『魔女の宅急便』のモデル」

当初来る予定のなかったストックホルム。北欧自体来る予定はなかったが、鉄道パスInterrail Passで行けると知り、私はスウェーデンの首都ストックホルムまでやってきた。

ストックホルムには3つの特色がある。

1つ目はその美しい街並み。

街は多くの島で構成され、「北欧のヴェネチア」と言われるほど、美しいという。

”大いに参考にした場所
 「魔女の宅急便…ストックホルム」”

ジブリのHPにはそう書かれている。ここには魔女の宅急便のモデル都市なのだ。魔女の宅急便はジブリの中でも特に好きな映画。その舞台となった街はとても美しかった。宮崎駿がモデルとして選んだストックホルムは一体どんな場所なのだろうか。

2つ目は、デザインの街。

スウェーデンといえば「H&M」や「IKEA」など、世界的に有名なメーカーが存在する。両者の共通点はデザインの良さ。スウェーデンはデザインで有名なようで、首都ストックホルムはデザインの街と言われているようである。

3つ目は、ノーベル賞の舞台。

ここストックホルムでは、毎年ノーベル賞の授賞式が行われる。ノーベル賞の創始者アルフレッド・ノーベルはスウェーデンのストックホルム生まれ。ノーベル賞授賞式はストックホルムの市庁舎で、国を挙げて盛大に行われる。

そんな魅力たっぷりのストックホルム。実際にはどんなところなのだろうか。自分の目で確かめに行ってみた。


「ストックホルム到着」
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夜行列車で朝ストックホルム駅に到着。電車の窓から海辺の近くにハイカラで美しい建物が少し見え、ストックホルムへの期待は膨らんだ。

駅から出て、まずコインロッカーに荷物を預ける。駅でトイレを探すが、やっぱりここのトイレもチップトイレ。トイレに入るのに10コルナ(約140円)も取られてしまうので、ここは我慢して街で探すことにした。

「ストックホルム観光案内所」
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駅にストックホルム市内の地図は置かれていたのだが、この街の情報はまだそんなに持っていなかった。駅から少し離れたところに観光案内所があったので、そこに向かうことにした。

歩いていると、ストックホルム市内にも「City Cycle」と名のつくレンタル自転車があった。もしかしてこれも無料でレンタルできるんじゃないかと思い、観光案内所に行って聞いてみることにした。

行くと、観光案内所はまだ閉まっている。開所時間は午前9時。まだ20分ほど時間があったので案内所の前で待つ。

9時になり、扉が開く。中に入るとさまざまなパンフレットがあったので、それを見て今日の予定を立てる。大抵の観光名所には日本語のガイドブックが売られているのでそれを立ち読みして情報収集するも手である。先ほどの「City Cycle」のパンフレットもあり、見てみたが残念ながら有料。1日だけの貸出はしておらず、3日間で125コルナ(約1500円)。それは高いので歩いて市内を散策することにした。

「旧市街(ガラム・スタン)」
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ストックホルムは多くの島から街が出来上がっているのだが、この都市の起源となった島はこの旧市街、ガラム・スタンだ。

ここには国会議事堂や王宮など、国の中枢部となる建物がある。街は狭い路地が迷路のように張り巡らされ、その路地にはおしゃれなカフェや画商、雑貨屋やお土産屋などが連なる。歩いているだけでも楽しくなる街だ。赤や黄色などの色鮮やか建物が多いところが、北欧という感じだ。

なんとなくこのガラム・スタンが魔女の宅急便のモデルだと思ったのだが、どうだろうか。

王宮の外壁は意外に質素。建物の中心にある中庭まで無料で入ることができたが、建物の中有料だったので諦めた。

「ノーベル博物館」
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ガラム・スタンにはアルフレッド・ノーベルや歴代ノーベル賞受賞者達について展示されているノーベル博物館がある。

入場料は学割が効いて40コルナ(約550円)。オーディオガイドの貸出も20コルナ(約300円)行っており、日本語もあった。せっかくなので私は日本語のオーディオガイドを借りた。

博物館で解説されるのは、ノーベル賞の仕組みとアルフレッドノーベル自身の生涯、そして各時代に代表される受賞者の紹介である。

昨年度の受賞者紹介ということで、物理学賞をとった3人の受賞者も展示されていた。

アルフレッド・ノーベルについての解説を聞くと、ノーベルがいかにすごい人かというのが良くわかる。ノーベルが旅好きだったというのを聞いて、共通点があったのでなんだか嬉しかった。

「行列ができる魚フライ屋」
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ガラム・スタンを抜け、今度は南の島ソーデルマイムへ向かった。この島は若者が集まるファッションの街であり、デザインの街であると言われるが、果たしてどんな場所であろうか。

橋を渡ってソーデルマイムに入ったところにあった広場に行くと、一つ行列のできるお店があった。中のメニューを見てみると、魚のフライをトーストに乗せたものや、ハンバーガーにしたものなど、魚のフライを使った料理のみ並んでいる。魚のフライ料理だけ並べるとは、よほど自信があるのだろうか。おいしそうなので並んでみることにした。

10分ほど並んで購入したのはトーストの上に魚フライが乗り、生の玉ねぎをさらのせてマスタードをかけたものが出てきた。値段は35コルナ(約500円)。さて味はどうか。うまい!本当にうまい!魚の臭みと魚フライの油っぽさを生の玉ねぎで消し、その生玉ねぎのツンと強いきつい味を甘いマスタードで消している。こんなにうまいトーストは初めて食べた。ぜひとももう一度食べた一品である。

「ソーデル・マイムの絶景」
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ソーデルマイムには若者の街といわれるように、ブティックがたくさん並んでいた。だが、そこまでファッションに詳しくない自分がここが「デザインの街」であるかは判断できなかった。H&Mに入って何か手頃なTシャツでも売っていないか探したが、そこまで安くて良いTシャツは売っていなかった。

私がファッション街よりもソーデルマイムに魅力を感じたのが、ソーデルマイムの丘から見えるストックホルムの絶景である。ソーデルマイムの街自体も美しくここの街も歩いてて飽きない場所だった。

「ストックホルム市庁舎へ」
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ソーデルマイムからストックホルムの市庁舎をみることができた。ここはノーベル賞受賞者の晩餐会が開かれるところ。どんなところか気になったので、早速行ってみることにした。

ストックホルム市庁舎は外見はとてもシンプルだが、中は金でできたモザイクなどがあり、とても豪華だという。何でも金が暴落した時にベルギーから買い付けたのだとか。私は外からしか見なかったのだが、外側にも金色の像が飾られていた。売店のポストカードを見ると、ノーベル賞晩餐会の様子が映し出されている。いくつもの長いテーブルに、何十人ものウェイターが一斉に料理を運んでいる姿はとても豪華。自分もいつかこんな席に座れたらいいな。

「ストックホルムのマーケット」
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次に向かったのが、ストックホルムのマーケット。レンガでできた大きな建物の下には、肉や魚、そして調理済みの料理など様々なものが並んでいる。肉売り場には鶏が売られているのだが、頭が鶏のままで残されていたので不気味だった。魚売り場には、今まで見たこともないような魚が並んでいたのでとても面白い。

魚屋が魚のオーブン焼きなどおいしそうな料理を出している。海の都市ストックホルム。まだ4時半ごろだったが、海の街で魚を食わずにはいられない。中には魚のグラタン料理があった。魚のグラタン料理は食べたことがないが、グラタンは自分の大好物である。食べずにはいられない。75コルナ(約1000円)もしたが、せっかくなので食べてみることにした。

マーケットで買って温めてもらい、外のベンチで食べる。口に入れた瞬間、塩の味が一気に口に広がった。塩辛過ぎるのだ。塩漬けにしているのだろうか、魚はとても塩辛かった。グラタン部分のポテトでその辛さを緩和しようとするが、あまり効果はない。北欧人はこんなに辛いものを好んで食べるのか。1000円も奮発してこの不味さは、正直がっかりである。

このマーケットでは、どの店員と話しても英語が通じた。正直、今までスウェーデンで英語が通じなかったことはほとんどない。これもスウェーデンの教育水準の高さを示すものだろう。デンマークもそうだったが、やっぱり北欧はとっても進んだ国々だ。

「オーロラは見えるのか」
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マーケットに行った後、ユールゴールという庭園に向かってそのまま中央駅へと歩いた。ユールゴールには門があり、青と金色で塗られている。この色使い、いかにも北欧という感じだが、この真っ青さはセンスが悪い気がしてならない。

駅へ向かって、このまま夜行電車で西欧へ戻ろうと考えていた。だが、頭の中にふとあるものが浮かんだ。それはオーロラである。

北欧とくればオーロラ。もっともっと北に行けばオーロラが見られるのではないか。この時期でも見られるのかは定かではないが、オーロラが見えなくても北欧の最北端にだんだん興味が湧いてきた。調べてみると、ここから夜行に乗って1度乗り換えれば、電車で行けるヨーロッパ最北端の街、ノルウェーのナルビックに行くことができる。一体どんな場所なのか。夏の今でも雪は残るのか。どれだけ寒いのか。定かではないが、いつもの調子でとりあえず行ってみることにした。

タケノコ

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