11月19日イスラエル(4)エルサレム・ヨルダン(2-1)アンマン:「キリストの昇天」


リーブ山から見るエルサレム

今日は午前中にイスラエル首都エルサレムの「オリーブ山」を登った後、イスラエルを脱出してヨルダンへ帰った。
オリーブ山はイエス・キリストが復活した後40日後に昇天したという「昇天教会」があり、今でもイエスキリストが昇天した際の足跡が残っているのだという。

午後からイスラエル側の死海に行こうと思っていたが、あいにくバスの本数が少ないのでヨルダンに戻ってからヨルダン川から行くことにした。

イスラエル首都エルサレムからヨルダンへ。距離にしてみれば短いのだが、思った通りに事が進まず時間がかかって一苦労な一日だった。

「オリーブ山へ」
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ダマスカス門の近くにあるPalm Hostelから歩いて20分程したところにオリーブ山はあった。自分が訪れた時には観光バスがすでに3台止まっていた。オリーブ山は観光客に人気なようだ。

まず向かったのが、麓にある『万国民の教会』。エルサレムにある教会にしては外観がモザイク画で飾られ、豪華だった。ここはイエスが最後の夜に祈り続けていた場所なのだとか。庭にあるオリーブの木は、今まで見たことのないくらい幹の太いもの。長い年月を感じさせるものだった。


マリアの墓教会

次に入ったのは『マリアの墓教会』。地下にはイエスの母マリアの墓がある。自分が行った時ちょうど儀式が行われていた。2人の祭司が正装をし、一人が煙の出る器具を振り回し、もう一人が呪文のようなものを唱えていた。何の儀式であろうか。


マグダラのマリア教会

山を少し登ると、玉ねぎのような形をした金色の屋根を持つ豪華な教会がある。ロシア正教の教会だ。『マグダラのマリア教会』である。マグダラのマリアといえばダ・ビンチ・コードで話題となった人物。この教会で、彼女は静かに眠っている。残念ながら今日は定休日のようで、門は閉ざされていた。


主の祈りの教会

山の頂上付近に行くと、『主の祈りの教会』がある。この教会は日本語を含めた世界の様々な言語で聖書の一部分が書かれたボードが飾られている。これだけたくさんの言語を見ると、この地球上には一体いくつの言語があるのだろうかと驚いてしまう。

昇天教会

キリストの足跡

そしてそこから少し離れた場所にあるのが、イエスが昇天したといわれる場所である『昇天教会』だ。昇天教会は何故なのか不明だが、現在イスラム教の礼拝堂となっている。教会の中にはイエスが昇天した際に残したとされる足跡が今でも残っていた。

キリスト教関係の遺跡・建造物を数々見てきたが、イスラエルのそれらは世界のどこにも勝る程インパクトがある。自分はキリスト教徒なわけではないが、世界に多大な影響を及ぼしたイエス・キリストの足跡をたどり、その歴史的存在を身近に感じ、感動を覚えた。

「ヨルダンへ」
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宿で仲良くなった韓国人に別れを告げ、死海へ向かうバスターミナルへ向かった。何度も思うことだが、旅は多くの出会いがある分別れも多い。仲良くなればその分別れが悲しくなるものだ。またどこかで会えるといいな。毎回そう願うばかりだ。

バスターミナルに着き、死海へ行くバスの時刻を調べると午後4時30分に出発するのだという。現在午後1時。バスの時間を持つのも長いし、死海に行っても着いたら日が暮れている。死海へはヨルダンからも行けるので、まずはヨルダンに行き、そして明日ヨルダン側の死海へ行くことにしよう。

ヨルダンとイスラエルの国境である「キング・フセイン橋」へ行くバスはあ15分で出発するということなので、ちょうどよかった。

「イスラエルとヨルダンの国境、再び」
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バスの中で寝て1時間。バスの運転手が
「ここがキング・フセイン橋だぞ。」
と言って起こしてくれた。窓の外を見る。え?周りには荒野が広がり、建物はない。あるのは地平線まで続く道路と、その道路から分かれる一本の道だけ。よく見ると看板があり、「キングフセイン橋」と書かれている。もしかしてここからこの何もない荒野を歩けというのか。外に出て荷物をバスの荷台から取ると、バスはすぐに行ってしまった。やっぱりここから自力で国境まで行かなければならないようだ。

ここはイスラエルである。荒野を一人で歩くのはあまり気が進まない。分岐点をしばらく歩くと、検問所が見えてきた。検問所を素通りしようとしたふが、軍人にパスポートを要求され、パスポートを見せる。そして、
「ここからは徒歩で行けない。タクシーを使いなさい。」
検問所の近くにはタクシーが数台泊っていた。仕方がないのでタクシーで行くことに。
「片道50だ。」
え?50?高い!ここからキングフセイン橋までそんなに距離があるのか。そんなにお金がかかるならば検問所を通るバスに乗せてもらおう。そう考えた。そして検問所付近に行き、通るバスの運転手に交渉する。すると、
「ここからはダメなんだ。」
という。交渉している自分に、検問所の軍人が気付き、
「ここからバスに乗るのはダメなんだ。タクシーを使いなさい。」
どうやらここからバスを使ってはいけない決まりになっているようだ。理由は良くわからない。
タクシーの値段が50でとても高いことを軍人に伝えると、
「20でいけるよ。もめたら俺のところに来な。」
そう助言してくれた。優しい軍人である。そしてタクシーの運転手に
「20でどうだ?と言うと、最初は首を横に振ったが、ここに来る他のタクシーを待つよと言うと、しばらくして
「今会社に相談したら20でいいと言われた。乗れ。」
会社に相談しなければ値段ひとつも決められないようだ。この感じ、なんだか日本みたいである。

タクシーに乗って検問所を通過し、イスラエルの出入国センターに到着。実際にタクシーに乗ったのは10分程度。この短い距離だったら20でも高い。国境付近は色々制約があって面倒だ。

タクシーを降りると、入国センターの係員がやってきて
「荷物を預かります。」
と行って荷物を持っていかれてしまった。荷物を持ったままだと危険物が入っていた場合危険だからだろう。セキュリティーのレベルは高い。出国税200を払い、無事イスラエル出国手続き完了。ここからバスに乗って、国境を渡るためのバス乗り場に行く。預けた荷物は、
「バス乗り場で渡すことになってるから心配しないで。」
という。言われるがまま、レバノンへ無開くバスが停まる乗り場へと向かうが、そこに自分の荷物はなかった。

近くにいた係員に行くと、
「そりゃ災難だな。すぐに出入国センターへ行くバスが来るから、それに乗ってセンターに戻って荷物取ってきな。」
だが一向にバスは来ない。来ても、
「ダメだ。このバスには乗れない。」
と言って断られる。待つこと30分。全くセンターに戻れる感じがしないので、係員がカバンを取ってきてくれるということになった。最初からそのようにしてくれと思ってしまう。

10分ほどして自分の荷物が手元に戻った。でも自分の荷物の行方がわからなくなるとう最悪の事態を避けることができただけでも良かった。荷物を受け取りやっとヨルダンへ向かうことができるようになったのだ。

アラブ諸国は思った通りに事が進まない。自分はしょっちゅうこのようなトラブルが起こる。この考えは、やはり間違いではないような気がする。

「ヨルダン再入国」
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キングフセイン橋を渡り、ヨルダン側へ到着。やっとヨルダンに着いた。だがまたトラブルは続くのであった。

バスの中でパスポートチェックがあるのだが、パスポートを見せると、自分だけパスポートを取られてしまった。バスの乗客が全て降りると、パスポートチェックをする係員はこっちにこいと言って移動させられた。移動された場所は「パスポートコントロール」。別に普通の人々と変わらない。だが、パスポートコントロールの人は何かやることがあるようで、中々自分の入国審査をしてくれない。30分くらい経ち、やっと入国審査をしてくれ、無事再入国を果たした。

再入国はできたが、今日は色々なことに時間がかかる。やっぱりここはアラビア諸国である。

「マンスール・ホテル」
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国境から首都アンマンに行く。セルビス(乗り合いタクシー)で行くのだが、セルビスは自分の行きたいダウンタウンまで行かない。仕方がないので乗り換えだ。国境から来たバスが到着したのはバスターミナル。時間は遅かったのでタクシーしかない。2ディナール(約240円)で行けないかとお願いしたところ、2ディナールで言ってもらえることにした。そしてタクシーに乗ろうとしたその時、タクシーの運転手の腕が他のタクシーにぶつかった。運転所は、
「大丈夫。」
だというが、本当だろうか。ハンドルの握り方もぎこちなくなっている。運転手はしばらく休むと行ってまた20分程待たされた。やはりここは中東である。

マンスールホテルに泊まることにした。マンスールホテルは日本人の間で有名な首都アンマンにある宿。何が有名かというと、宿の従業員のサービス精神がすごい。

片言の日本語を使い、何かあればいつも
「モンダイナイヨ~」
と陽気に答えてくれる。昨日は宿に着くと砂糖がたっぷり入った紅茶を用意してくれたり、タバコを何度も勧めてきたり、読み物をしているとコーヒーを出してきてくれたり、日本語のガイドブックを貸してくれたり。彼のサービス精神は底をつくことがない。

ドミトリーで一泊3.5ディナール(約420円)と安いのに、朝食が付いてくる。朝食はアラビアのパン食べ放題とジャム、チーズ、茹で卵一つに紅茶。朝食ならばこれで十分だろう。

こんな1日を終え、ベットにぐったり。今日はトラブルが絶えない1日だった。

タケノコ

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