8月18日 ハンガリー(2):首都ブタペスト 「エアー・レース・チャンピョンシップ」

8月20日はハンガリーの独立記念日。この日は祝日で、街のあちこちで野外コンサートが行われ、夜にはドナウ川で花火が開催される。今日はその前日の19日であったが、すでに街では野外コンサートがちらほら始まり、その雰囲気を十分に味わうことができた。

そしてこの独立記念日の何よりの目玉は、ドナウ川で行われる「Red Bull エアー・レース・チャンピョンシップ」だろう。ドナウ川にはたくさんの風船でできた巨大なポールがたくさん建てられている。飛行機はそのポールの間を飛び、タイムを競うのだ。同じ場所を数回飛ぶので、同じ場所に戻るときに宙返りして方向転換する。その宙返りする飛行機の姿がなんともかっこいい。

飛行機がものすごいスピードで曲芸のように飛ぶ姿は、まるで映画『紅の豚』のワンシーンが現実に目の前で起きているようである。

ちなみに今回のレースは、アジア人として初めて今大会の出場資格を得た日本人が登場する。

今日は予選、決勝は明日。決勝に出場できるのは上位10位だけだ。日本人選手は決勝に進出できるのだろうか。


「南京虫の恐怖」
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今日起きたのは10時半。ベットが気持よかったのでいつのまにか寝てしまった。

この日本人宿アンダンテでは、アジアの宿でよく出るという南京虫がいる。南京虫は米粒くらいの大きさの虫で、寝ている間人間に襲う。襲われると、痕に残る程皮膚を傷つけるのだ。南京虫はアジアにしかいないものだと思っていたが、ここアンダンテにはいるようだ。きっと誰かが拾ってきたのだろう。私の近くにいた人は南京虫の集中攻撃に遭い、体中バンソウコウだらけだった。あまりにもひどいので、昨日病院に行ったという。

私もやられないようにと、昨夜は上着を着て寝た。だが、南京虫は顔にも襲う。顔まではガードできないので、あとは南京虫に狙われるか狙われないかは運である。だが、私は風通しの良いベットに寝ていたこともあって、南京虫のターゲットになることはなかった。ラッキーである。

「再びタイカレー」
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次の行先について調べたりしていたらもうお昼。やはり長い間寝ていると一日がとても短く感じる。

昨日スーパーで買った食材があったので、昼食に2度目のタイカレーを作って食べた。材料はルーマニアで購入したタイカレーのペーストに、ハンガリー特産のパプリカ、トマト、玉ねぎ、ニンジン、ウインナー2本。全部で約500フォリント(約250円)程である。やはり自炊の方が安く済むし、たくさん食べられて良い。それにうまくできると嬉しいものである。今回もおいしくできたのでとても満足。

「エアー・レース・チャンピョンシップへ」
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私は15時半頃出発するスロバキアの首都ブラチスラヴァの電車に乗ろうと計画し、宿を後にした。だが、今日はエアー・レース・チャンピョンシップの予選の日。昨日練習風景を見たので良いかと思っていたが、本番もやっぱり見てみたくなった。間近であんなに刺激的なレースを見ることができることなんてもうないかもしれない。そう思い、夜の20時発の電車に変更した。

レース会場であるドナウ川に近づく。すると、建物と建物の間に猛スピードで飛ぶ飛行機の姿が現れるのだ。レースは始まっている。私は会場へ急いだ。

ドナウ川沿いの少し高いところにポジションを取り、レースを楽しんだ。

飛行機は垂直に近い状態になってポールの間をすり抜ける。それも早いスピードでだ。リターン時の宙返りも素早く行い、少しでもタイムを縮めようとする。

良いタイムがでると、会場の観客は拍手。特に最後に登場した世界チャンピョンの登場時にはとても盛り上がっていた。

今回アジア初出場の日本人は残念ながら上位10位以内には入らなかった。よって明日の決勝には残れない。まだ来年もあると思うので、ぜひとも応援したい。

「独立記念日前夜」
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明日8月20日はハンガリーの独立記念日。独立記念日は祝日となっていて、ブタペスト各地で野外コンサートなどの催し物が開催されると聞いたが、その前日の今日でもあちこちで野外コンサートが行われていた。

私がエアー・レースを見た後駅へ向かっていると、ジャズのようなゆったりとした音楽が演奏されていたので、つい聞き入ってしまった。

整備された芝生で横になって生演奏を聴くとは何ともリッチな気分である。

「夕食」
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夕食はぜひともハンガリー料理を食べたかった。私は電車の中で泊まったり、駅で寝たりして宿代を節約する代わりに現地のおいしいものを楽しむことにしている。

ハンガリーはパプリカ料理が有名で、パプリカのルーを使ってチキンなどを煮たりする。今回もぜひハンガリー料理を楽しみたかったが、探しても探してもハンガリー料理を出すレストランが見つからない。一つ見つかったが、残念ながらすでに予約されていた。

電車の出発までもう時間がないので、仕方なく違うお店へ。大きなナスの上にひき肉とチーズが載ったものとライス、そしてヨーグルトで和えたサラダを頼んだ。全部で1000フォリント(約500円)。ちょっと奮発してしまった。

だが、やはりヨーグルト料理は自分にとってみれば珍しいので試してみたが、オリーブオイルでギトギトに漬けられ、脂っこくてとてもサラダとはいえない代物だった。正直私の口には合わない。お店の人がサービスしてくれたようだが、残念ながらその行為に添えない気持ちである。

ナス料理はとてもおいしかった。私でもつくれそうなので、今度作ってみよう。

「スロバキア首都ブラチスラヴァへ」
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ブタペスト東駅に到着し、乗る電車を探す。ブラチスラヴァは電車の最終駅ではないので、掲示板の終着駅と一致しない。いつもは掲示板をみればわかったが、今回は違ったので、プラットホームを探すのに苦労した。

席を確保し、車内が暑いので列車の出入り口がある場所で涼しむことにした。すると、肌が薄黒い浮浪者のような格好をした男が私に近寄って何やら話しかけてくる。よくわからないから笑顔でかわすと、向こうもニコやかになって肩を手で叩いてくる。そしてなかなかその手を離さないのだ。こいつはスリじゃないか。そう思って手を掃った。

列車が出発しそうになるとさっきの男は電車を降りる。きっと何か物を盗むために駅に入っただけだろう。やっぱりスリのようだった。

電車は相部屋の個室。私の手前にはカップルが2人。彼らはこんなに他人が近距離にいてもおかないなしにキスをしている。正直オープン過ぎる。目のやり場に困った。

「ブラチスラヴァへ」
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スロバキア首都ブラチスラヴァには夜の11時半頃到着した。一国の首都の駅だというのに規模は小さい。旧ユーゴスラビア諸国でもそうだったが、やはり分裂した国の首都はまだ首都となって間もないので規模が小さい。このブラチスラヴァもその類だろうか。

店に掲げてある値札を見ると、最近通貨をユーロにしたせいか、上からシールが貼られて新しく値札を張り替えた跡がところどころにあった。

私はブラチスラヴァ駅の待合室で、いつものように野宿することにした。回りにも数人同じような人たちがいる。一人少し肌の黒いやせ細った男が待合室の床で堂々と寝ていた。

寝ていると、警備員が待合室に入いってきて警備員は床に寝ていたその男性を駅から追い出した。私も追い出されるのかなと思ったが、何故か警備員は私に向かってウインクしてそのまま立ち去った。なぜ私は追い出されなかったのか不明だが、外で寝る羽目にならずに済んだので助かった。

タケノコ

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