9月12日 フランス(5)パリ~スイス(1)ジュネーブ&ベルン:「ルーヴル美術館、そしてスイスへ」



今日訪れたのは、パリといえば誰もが思いつく美術館、ルーヴル美術館だ。このルーヴル美術館はあまりにも有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』をはじめ、『ミロのヴィーナス』、フェルメールの『レースを編む少女』など、世界を代表する作品が収容されている。

そして今日、ついにフランスを出発し、アルプスや湖の美しいスイスへと向かう。

スイスでは欧州国連本部がある国際都市ジュネーブ、そして首都ベルンへ。本当はベルンではなくチューリッヒに行く予定だったが、あるスイス人との出会いでベルンにある彼の自宅へとお邪魔することになった。

色々なところに訪れた一日だった。


「起床」
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今日はエッフェル塔の前の公園で起床。エッフェル塔の周りには警官がたくさんいたので起こされるかと思ったが、自分のいた公園には巡回にやってこなかったようだ。おかげでぐっすり眠れた。

起き上がると、朝焼けに映るエッフェル塔が目の前に姿を現す。自分がパリにいるんだと実感すると同時に、その美しさに朝から感動することができた。とっても良い朝だ。

前日に買っておいたバナナを食べ、気分はますます好調である。

「リヨン駅へ」
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自分の予約した15時頃出発スイス・ジュネーヴ行きのTGV(高速鉄道)はリヨン駅から出発する。パリにはたくさんのターミナル駅があってややっこしい。

荷物を預けるためにリヨン駅へ向かう。駅に着き、まずシャワーを浴びた。ここのシャワーは一回3.5ユーロ(約460円)。パリ北駅の半分である。同じパリにある駅なのに、シャワーやロッカーのサービス料金がそれぞれ違うとは驚きだ。

シャワーを浴びた後、大きな荷物を4ユーロ(約520円)で預けた。ロッカーに預ける前に、鞄の中身を赤外線でチェックされる。爆弾テロ等の防止のためだろう。私の鞄の中にはキャンプ用のガスタンクが入っていたので、それが見つかって出すように言われた。

このガスタンクが見つかって出す羽目になるのは五分五分である。半分の係員は、雑誌などを読みながら適当に
赤外線チェックをしているので気付かないのだ。これで本当にテロを防げるのだろうか。

ロッカーに荷物を預けた後、待ちに待ったルーヴル美術館へ地下鉄で向かう。

「ルーヴル美術館入館」
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ルーヴル美術館最寄駅で降り、地下入口へと向かう。ルーブル美術館の入り口は自分が確認しただけで2か所。地上のピラミッドからと、地下街からだ。地上のピラミッド入口はいつも混雑していたので、地下から入館した。

まず赤外線の荷物検査が行われた。自分の鞄の中には、さっき出すように言われたキャンプ用のガスタンクが入っている。どうせまた出せといわれるのだろうと思っていたが、ここもスルー。ルーヴルのセキュリティーもそんなに高いとはいえなかった。もしも自分がテロリストだったらどうするのだろうか。

入場したのは10時頃。そろそろ主要観光地は観光客で賑わい始める時間だったが、まだチケット売り場はほとんど並んでいなかったのでスムーズにチケットが買えた。

「モナ・リザ」
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まずはじめに向かったのが、ルーヴルで一番有名と言っていいレオナルド・ダ・ヴィンチ作の『モナ・リザ』だ。もちろん、途中にたくさんの作品があったが、早めに行かなければ観光客でいっぱいになってしまうので、それらの作品を無視して『モナ・リザ』へ突っ走る。

建物南側のドノン翼2階の中心にある『モナ・リザ』がある部屋に入った。やっぱり『モナ・リザ』は大人気で、絵の周りにはたくさんの人が群がって、記念撮影等をしている。

絵は想像以上に小さい。自分がこれが本物だと知っているからこう思ってしまうのかもしれないが、何度もみたことある『モナ・リザ』の、本物を実際に見てみると迫力を感じた。この絵、美しいとか色が奇麗だとかそういったこと以上に、こんな小さい絵だけど迫力がある点にその凄さを感じた。

『モナ・リザ』は盗難にあったことがあったからであろうか、この小さい絵の前にはガラスが張られ、手出しが全くできないようになっている。ちなみにこの『モナ・リザ』には、あの日本テレビがスポンサーとして付いている。

「ミロのヴィーナス」
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次に見た主要作品は『ミロのヴィーナス』。この彫刻も誰もが見たことあるくらいあまりにも有名な彫刻であろう。

この彫刻、両腕が折れているわけだが、両腕が折れて
肩のラインが強調されるからこそ美しい彫刻だと思う。

「豪華な部屋」
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「ナポレオン3世の部屋」
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「レースを編む少女」
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最後にフェルメールの『レースを編む少女』を見てみたいと思った。パンフレットに書かれている絵の場所に行き、絵を探す。そしてそこにあったのは一枚の紙切れ。「この絵は2月27日から6月14日まで東京の美術缶へ、6月29日から9月27日まで京都の美術館へ、特別展のため貸し出し中」
というようなことが書かれているではないか。わざわざフランスまで来たのに、その時に日本にあるとは。自分が日本に帰る時ぐらいにここルーヴルに返還される。まるで自分を避けるようだ…その隣にある他のフェルメールで我慢することにした。

「日本人街?」
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ルーヴル美術館を出て、スーパーのお惣菜で昼食。購入したのはクスクスという麺を細かく刻んだようなものと、サラダ。クスクスは昔よく食べていたことがあって大好物。お腹も膨れて大満足だ。

ルーヴルの近くに有名なオペラハウスがあったので一目見ようと歩いて向かう。今までさまざまな劇場を見たが、どの劇場よりもこのオペラハウスは外見が豪華!中もきっとものすごいのだろう。

オペラの前に広がる通りを曲がると一軒の日本人スーパーがあった。中に入ると日本の製品ばかり。お~いお茶などの緑茶や、日本酒、納豆まで売られている。まるで日本に戻ったような気分である。

だが、どれも高い。お~いお茶でさえ3.4ユーロ(約450円)もするのだ。日本ならこの値段で数本買えてしまう。

店には日本人ばかりではなく、フランス人の姿も結構いた。いつも買っているのか、慣れた手つきで和風ドレッシングやごまドレッシングを手に取るフランス人がいたのが面白かった。日本の食品は海外でも人気があるようだ。

そのスーパーを出て、通りを歩くと再び日本語で店名が書かれている店が。そこにはたくさんの日本料理の店があるのだ。ラーメンで有名な『大勝軒』があったのもびっくり。どうせ客はみんな日本人だろうと思って中を見てみると、いたのはみんなフランス人だ。しかも結構席が埋まっている。フランスでもラーメンが食べられているとは…食にはうるさいといわれるフランス人をも魅了する日本のラーメン。もはや世界的な料理になりつつある…

「スイスの準備」
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ルーヴル美術館を出て、スイスに行く準備をしに市内へ向かう。アルプスの麓は寒いと思ったからだ。フランスの朝でも寒いのだからもっと寒いのだろう。そう思ってセーターを一枚買おうと思った。

パリの中心街、Rue de Rivoli通りにはたくさんのブティックショップがあるのだが、その中にはH&Mなどの安く購入できる店もあるので、そこへ行くことにした。

C&Aという店に20ユーロ(約2700円)でセーターが売っていたので購入。チャック付きのグレーのセーターを買った。

「スイスへ」
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時間が迫っていたので地下鉄でリヨン駅へと向かう。ロッカーの荷物をとり出し、TGVプラットホームへ。15時5分、電車は定刻通りジュネーブへ出発した。

電車はフランスの山の中を抜ける。フランスもここまで来ると田舎だ。辺り一面山だらけ。山のなかにぽつんとある集落。そこにある芝生で、子どもたちがサッカーをして遊んでいる。その姿はとてものどかで良い。ある子供が電車に向かってお尻を出してからかっている。不埒な姿ではあるが、その無邪気な子供達の姿が田舎の良さを現している。

「国際都市ジュネーブ」
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電車はいつの間にかスイスへ入り、山を抜けてジュネーブ・コルナヴァン駅へ到着した。ジュネーブは欧州国連本部がある国際都市。三日月の形をしたレマン湖に面している。

ジュネーブは最後にまた来ることにして、チューリッヒにそのまま向かおうと思っていたが、まだ明るいし時間があったので、ジュネーブで少し降りてみることにした。

まず向かったのが、国連ヨーロッパ本部。ここには年間700以上の会議が行われる巨大な建物が建ち、ジョン・ロック・フェラー寄進の世界最大規模の図書館があるという。中に入るには昼に開かれるツアーに参加しなければならなかったので今日は無理だが、外観だけでもどんなものか見てみたかったので言ってみることにした。

駅から徒歩ですぐだと思っていたが、予想以上に歩いている。ジェネーブ滞在を歩いて終わりにするのは嫌だったので、ここはトラムを使う。スイスだから高いだろうと思っていたが、トラム3駅まで2フラン(約180円)、1時間券が3フラン(約270円)と意外にも普通である。自販機で買うのだが、おつりが出ないということなので、売店で0.4フラン(約36円)のポストカードを買って小銭を手に入れる。そして、3フランの1時間券を購入した。

「国際連合ヨーロッパ本部」
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トラムは5分ほどで国連に到着した。

国連本部の前には大きな椅子があり、その周りには地球上のさまざまな地域の地図が書かれたコンクリート板が何枚も並ぶ。椅子の前には垂直に噴き出すいくつもの噴水が噴き出ていた。

この大きな椅子、何か意味が有り気である。

「スイスの物価」
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国連から先ほどの1時間券を使ってジュネーブ・コルナヴァン駅へ戻る。そしてそこから歩いてレマン湖へ。辺りはもうすでに暗くなっていた。

レマン湖に向かう途中、マクドナルドがある。物価が高いと言われる国、スイス。マクドナルドはどこにでもあるので他国と比べ安いのでいつも見ている。

スイスのハンバーガーは2.5フラン(約225円)。今まで一番高かったデンマークの10クローナ(約200円)を上回った。記録更新である。あまり更新されて欲しくない記録。とにかくスイスの物価は高いことがわかった。

「レマン湖へ」
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辺りはもうすでに暗いのでレマン湖の奥にそびえているろう高い山々の姿はもう見えない。だが、ここジュネーブの夜景はとてもきれいだった。湖周辺に広がる大きな建物が放つ光が湖面にうつり、一人じゃ寂しくなるほどロマンチックである。

レマン湖にはジュネーブで有名な垂直に噴き出る「大噴水」が有名なのだが、もう夜だからか噴水は噴き出ていなかったので残念である。

「サン・ピエール大聖堂」
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ジュネーブの象徴となっているのが、サン・ピエール大聖堂。もう夜だったが、外観だけでも見てみようと思って行ってみた。

丘の上にあり、重たい荷物を持っているので苦労した。途中、旧市街を通ったのだが、今日は日曜日の夜なのでどこも店がやっていない。ここもフランス同様、日曜日は定休日で終わるのも早いようである。

大聖堂は背が高く堂々とし、ライトアップされてその神秘さを増してした。大聖堂に見入りながらひとまず一休み。大聖堂の近くで腰をおろした。それにしても人がいない。日曜日の夜とはこんなにも静かなものか。

「電車で出会ったスイス人」
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ジュネーブを見たあと、電車でチューリッヒへ向かった。もう夜だったが、できるだけ夜の内に移動しておいた方が、昼間にたっぷりと時間が使えるというものだ。

電車の中で本を読んでいると、丸いサングラスをかけてひげを生やした、ジョンレノンが髪の毛を短くしたような男が自分に話しかけてきた。
「日本人ですか?」
そう英語で聞いてくるのではいと答えると、いきなり日本語で、
「私日本に留学していたんです。」
このスイス人、高校生の時に日本へ1年間留学していたという。高校は愛知県の岡崎城西高校。自分も同じ愛知の高校に通っていた。これはびっくりである。

自分の旅の話をすると、
「スイスは危ないから野宿しない方がいいよ。良かったら私の家に来る?ベルンにあるんだけど。」
なんと、初対面の自分を家に泊めてくれるというのだ。なんと良い人だろう。場所はスイスの首都ベルン。ジュネーブとチューリッヒの間にある都市だ。通り道なのでちょうど良い。お言葉に甘えて彼の家にお邪魔することにした。

「スイス人のお宅へお邪魔します」
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ベルンの駅で降り、乗り換えて20分程して彼の家の最寄駅に到着。住宅街のようで、とっても静かな街だった。

「うちは日本の家の数倍大きいよ。」
日本の家と欧州の家を比べてはいけないと思ったが、そこまで言うならばどんな家か楽しみである。

彼は日本人の彼女がいるそうだ。隅田川の花火大会で出会ったのだとか。自分がオーストラリアにホームスティしていた時のホストブラザーも、日本人の彼女がいる。自分が知っている日本と関係を持つ欧米人は日本人の彼女がいる人が多いのでびっくりである。

彼の家に入ると、大きな犬が飛び出してきた。とっても人懐っこい犬。
「座れ!」
と彼が言うと素直にお座りしていた。とても賢い犬である。

家に着くなり、彼は自分のために部屋へ上がり、早速ベットを用意してくれる。更に、
「洗濯物があれば洗濯していいよ。」
なんと優しい人だ。泊めてもらえるうえに洗濯機まで貸してくれるとは!
「お風呂も良かったらどうぞ。」
シャワー室ではなく、浴槽があり、タオル2枚まで用意してくれる。こんなに優しくしてくれてよいのか。

シャワーを浴びたあと、彼とは色々な話をした。日本語が達者なので話易い。お互いに写真を見せ合ったり、スイスについて色々教えてもらったりした。久し振りにこんなに長い間日本語が話せたことや、ふかふかのベットで寝たことがとっても嬉しかった。

タケノコ

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