9月11日 フランス(4)パリ:「ヴェルサイユ宮殿」





ヴェルサイユ宮殿


今日行ったのはヴェルサイユ宮殿。「朕は国家なり」とう言葉を残したルイ14世が50年近くかけてつくらせた巨大で豪華な宮殿である。

ここには宮殿があるのみならず、巨大な庭園もある。その広さなんと100ha。この庭園を十分に歩いて回ろうと思ったら一日はかかってしまうだろう。

当初の予定では、ヴェルサイユ宮殿を見たあと、ルーヴル美術館を見てスイスに行こうと思っていたが、その予定は電車の都合で行き詰まった。


「スイス行きの切符」
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今日はシャンゼリゼ大通り近くの公園で起床。フランスの朝は寒く、寝袋から出ると凍える。

公園の近くにあったGeorge V駅から地下鉄でパリ・モンタパウナス駅へ。この駅からヴェルサイユ宮殿最寄駅であるヴェルサイユ・シャンティエ駅までの電車が出ているのだ。

だがその前に、今日行く予定のスイスへ向かうチケットを購入するため、チケット売り場へと向かう。そしてスイス行きのチケットについて尋ねると、
「すべてうまっています。今日は金曜日、当日の予約は難しいですよ。」
スイスへのTGV(高速列車)は全て埋まっていた。今日は金曜日の上、自分の持つ鉄道パス「Interrail Global Pss」で乗れる席は限られているのでチケットを購入うすることができないのだ。

自分が予約できる次の電車明日の午後15時頃発の電車。しょうがないので、今日は諦めて明日スイスへ向かうことにした。

「ヴェルサイユ宮殿」
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チケットを手に入れたところでヴェルサイユ宮殿の最寄駅へ向かう電車に乗り、午前10時頃駅に到着。宮殿まではそこから歩いて20分ほどである。

途中、ミニスーパーがあったので、マスカットと洋ナシを購入。朝食にした。昨日からマックなどで食事を済ませていたので、あまり健康によくなかった。ここにきて、やっと健康に良いものが食べられた気分だ。

宮殿の前に着いたのは午前10時30分ごろ。宮殿前には石畳でできた広い広場が広がり、真中にルイ14世の銅像が建っている。自分の経験上、観光名所の観光客が一番多いのは午前10時~11時。今まさにその時間である。案の定、チケット売り場にはたくさんの人が並んでいる。ここでチケットを買うため、30分ほどまった。やっぱり観光名所に行く時は朝早く行くのが一番である。

やっとの思いでチケットを購入して宮殿へ入場しようとしたが、宮殿入口にもたくさんの人が並んでいる。やっぱりこの時間帯は観光客が多い。

庭園には無料で入れるようなので、まず庭園に行ってから宮殿に入ることにした。観光客のピークはお昼頃に途切れる場合が多いからだ。みんなランチに出かけるのだろう。

「巨大なヴェルサイユ庭園」
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宮殿の脇からヴェルサイユ庭園へ。この庭園、想像以上に広い。広さ100haは伊達ではなかった。

宮殿の裏にある水庭を通り、ラトンヌの泉水と花壇へ。ちなみにこの場所、Googleアースで見るとなんとミッキーマウスに見える。そこからアポロンの泉へ。その後ろに広がる大運河は、文字通り大運河。庭園に大運河があるから驚きである。

「大トラリオン」
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大トラリオン

庭園の奥にはルイ14世の離宮だった大トラリオンがある。当時の調度品が復元され、各部屋はとても豪華絢爛である。自分も一度こんな家に住んでみたいなという夢ばかりが膨らんでいく。

だが、これは離宮。本宮殿はまた別にある。おそろしく規模が大きく、豪華なヴェルサイユである。

大トラリオンに入場した後、小トラリオンにも入ろうとしたが、残念ながら宮殿に入るための入場券では小トラリオンに入ることはできないようだ。

ここにきて気づいたのが、この大トラリオンと小トラリオンにもチケット売り場があるということ。わざわざベルサイユ宮殿の前で30分も40分も待ってチケットを買ったのに、ここのチケット売り場には誰ひとり並んでいない。これはやられた。

「ヴェルサイユ庭園の牧場」
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ヴェルサイユ庭園には牧場が存在した。庭園を散歩しているといきなり羊の群れが現れるのだ。羊を見ていると、えさが欲しいのが自分の方へやってくる。こんなに間近で羊を見たのは初めてだ。

羊の目は爬虫類のような目をしている。だいぶちがった印象だ。自分は羊に失礼かもしれないが、羊の間抜けたような鳴き声が好きだ。

「宮殿の中へ」
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ヴェルサイユ宮殿 鏡の間
庭園を見回ったところで宮殿の入り口に戻る。時刻は12時頃。予想通り、この時間は観光客があまりいない。入口に並んでいるのはわずか。読みは当たった。


中に入ると歴代王家の写真がずらり。みな偉そうな表情で描写されている。どの部屋にも細かい装飾が施され、多くの金が使われている。とっても豪華だ。

最大の見どころはやはり鏡の間。金が壁、天井一面に塗られているほか、天井には巨大な絵画が描かれている。鏡が部屋の広さと神秘さを際立たせ、とても美しかった。期待していた通り、とっても素晴らしい部屋である。












「昼食」
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ヴェルサイユはパリ郊外の都市。パリとは違った静かな街並み。何か昼食を取る良い場所はないかと探していたところ、感じの良いパティシエを発見。店の表にパンやケーキのレトロな絵が描かれ、黒色に塗られている。おいしそうなので中に入り、クリームケーキを購入してたべた。値段は2ユーロ(約270円)。フランスの菓子は甘すぎるようなことを聞くが、そんなことはなく、程良い甘さでとってもおいしかった。

パティシエから駅へと進むと、中華料理屋がある。中華料理屋といえば安くてうまい。早速中に入る。チャーハンが100g1ユーロ程だったので100g購入。もう一つおかずにブタチリのようなものを頼んだ。こちらの値段は100g1.8ユーロ。200g購入した。合わせて約3ユーロ(400円)。日本にしてみればまだ削れるところだが、フランスは物価が高いのでなかなかそれができない。

チャーハンはとてもおいしかったのだ、ブタチリは甘い料理。さっきあまいものを食べたばかりなのでまたかという気持ちになあた。以前中華料理をレストランで食べたときも甘かった。中華料理には運がない。

「パリで立ち往生」
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今日ルーヴル美術館も回る予定だったが、閉館時間まであと2時間。地下鉄で行こうと思ったが、チケット売り場の前にはたくさんの人が並んでいる。今行ってもルーヴルを十分に楽しむことができないと思い、明日にまわすことにした。

ヴェルサイユ宮殿に行った後、モンタパウナス駅のハンバーガーショップに入ってスイスの旅程を練る。スイスについてあまり知識がなかったので、無線ランが使える店に入って、自分のパソコンをネットにつなぎ、情報を集めた。

フランスでは電車の席が取れなくて乗れないことが結構あったが、スイスでは国際列車以外だったらどの電車も基本的に予約の必要ないのだとか。さらに、スイスは鉄道王国と言われる程鉄道網がしっかりし、電車の正確さはヨーロッパ一だと『地球の歩き方 ヨーロッパ編』に書かれている。スイスは旅がしやすそうだ。

「自炊の材料」
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モンタパウナス駅の近くに大きなスーパーマーケットがあったのでそこで夕食の食材を購入。今夜もどこかの公園で自炊しようとした。

購入したのは赤のボルドーワイン(3.4ユーロ:約420円)、黒トマト、黄色トマト、パプリカ、玉ねぎ、牛肉。野菜はだいたい一つ0.5ユーロ(約65円)、肉は150gで1.5ユーロ(約200円)程だった。

スーパーにはいくつもの種類のトマトが売られていたので、試してみようと2種類のトマトを購入してみた。

フランスといえばワイン。安くてもおいしいものが飲めると信じ、赤のボルドーワインを買った。

北駅の近くにはサクレ・クール大聖堂という大きな白い教会がある。この建物もパリのシンボルの一つ。北駅にある荷物を取りに行くついでに、モンタパウナス駅から地下鉄で訪れてみることにした。

「サクレ・クール大聖堂」
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サクレ・クール大聖堂

最寄駅のAnvers駅を下車し、そこから北へ向かう。サクレ・クール大聖堂は丘の上にあるので長い階段を登る。今日は長い間歩いていたので階段を登るのは結構きつかった。

丘に登ると、そこには真白のサクレ・クール大聖堂がある。この教会は、パリにある他の教会と違った外見をしている。ゴシック式のように細見を強調した造りになっているわけでもない。その違いがまた良かった。



















モンマルトルの丘

大聖堂の前にはモンマルトルの丘があり、そこから見えるパリの夜景はとても美しい。エッフェル塔などの主要な建造物が見えるわけではないが、暗闇に光るたくさんのライトがとても美しかった。

ここは夜の人気スポットのようで、自分のほかにもたくさんの人が丘の会談に集まり、ワインを飲んだりして夜景を楽しんでいた。自分もせっかくワインを買ったので飲むことに。…だが、残念ながらこのワインは味が薄く、あまりおいしくなかった。雰囲気だけ楽しむことにしよう。

モンマルトルの丘から階段で降りると、その下に黒人が数名観光客を捕まえている。自分も強引に捕まえられ、
「こんばんわ。パリはどう?」
などと言って、いきなりミサンガを手に巻きつけてくる。
「これはなんだ?お金払わないぞ。」
「いいよ、タダだから。」
いかにもうさんくさい。ミサンガを結んで取れなくし、お金を要求するつもりだろう。
「もういいよ。」
そう言って自分の手でミサンガを編む黒人を振り払い、その場を立ち去った。黒人は不機嫌そう。だが、通りすがりの人が言う「無料」という言葉は大抵嘘なのだ。

「最後にエッフェル塔」
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パリ最後の夜はエッフェル塔の前で過ごすことにした。エッフェル塔の前にある公園で自炊。材料をコンソメとタイカレーの素を使って味付けし、ごはんと一緒に食べた。正直なところ、あまりおいしくはなかったが、お腹が膨れたので満足である。

エッフェル塔を見ながら料理を食べ、とっても贅沢な気分に浸ることができた。

エッフェル塔の近くには警官が巡回していたので、少し離れた公園で就寝。ゆっくり眠ることができた。

タケノコ

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