9月7日 ベルギー(2) アントワープ:「『フランダースの犬』ラストシーン」

このブログには映画や物語の舞台となった場所について書いた記事が多くなってしまった。今回もある物語の舞台について。

今回の物語は誰もが知るアニメ『フランダースの犬』。その最終回で、主人公ネロが愛犬パトラッシュと共に天使に迎えられた教会がある街、ベルギー北部に位置するアントワープに訪れた。

教会の名は「ノートルダム大聖堂」。そしてネロとパトラッシュが最後に見た絵はルーペンス作「キリストの降下」であり、大聖堂の中に現存する。

面白いのが、この周辺の人々はフランダースの犬という物語を知らなかったこと。ここアントワープへ、あまりに多くの日本人がフランダースの犬の舞台を探しにやってくるのだが、現地の人は何のことだが全くわからなかったのだという。だが、日本人の訪問者をきっかけとして現地にも『フランダースの犬』が広がり、オランダ語に翻訳され、ベルギーの漫画にも登場するようになったのだとか。

こんな話を聞くと『フランダースの犬』は日本人が作った物語ではないかと思ってしまうところだが、英国人とフランス人のハーフであるウィーダという人物が書いた物語。この著者はこのアントワープに住んでいた。

現地の人も知らない物語をアニメ化して日本で大ヒットさせ、さらに現地にも物語を広げたこのアニメの製作陣はすごい。一体どういう経緯で『フランダースの犬』をアニメ化させたのだろうか。気になるところである。


「アントワープ駅到着」
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アントワープはブリュッセル中央駅から約1時間の距離。だいたい正午過ぎに到着した。

アントワープ駅はとても立派な建物で、中央に建つ時計とその周りの装飾は素晴らしい。首都ブリュッセルにあるどの駅よりもここアントワープ駅の方が立派である。まるでここが首都駅のようだ。

駅を出ると、たくさんの店が並ぶ。何の店かと言うと、ダイヤモンドの店だ。ここアントワープはダイヤモンドで有名な街であるようで、駅前にはダイヤモンドの店が数十軒店を構えていた。

「アントワープでショッピング」
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アントワープ駅からノートルダム大聖堂まで歩いて20分程度。ブティックやレストランが連なる広い通りを一直線に進むだけ。そんなに長くここアントワープに滞在する予定はなかったので、大きいザックをロッカーに預けることなく背負って街を歩いた。

多くの店が連なっているのでちょうど良いと思い、買おうと思っていたものをここで全部買うことにした。久々のショッピングである。

まず購入したのはザック用のレインカバー。15ユーロ(約1950円)で購入した。このレインカバーを購入したのは3つの目的がある。

まず一つ目はもちろん雨対策。二つ目は防犯対策。駅やバスターミナル、空港で寝ることが多い自分は、寝ている時にザックから何か盗まれないように寝袋とザックを紐で結ぶのだが、それだけでは不安である。ザックのチャックからそっと物を盗まれるかもしれない。その対策としてこのレインカバーをすれば、簡単にザックを開けられなくなるというものだ。三つ目は見た目対策。大きいザックは長旅で過酷に使っていたこともあって見た目はとてもボロいものとなってしまった。それをこのカバーをかけることで隠すことができる。

次に買ったのが5ユーロ(約650円)のTシャツ。H&Mで購入した。最近Tシャツに大きく染みが付いて捨ててしまったTシャツがあったので、その代わりに購入した。やっぱりH&MのTシャツは安い。そして7ユーロ(約1000円)のマフラーも購入した。9月に入って寒くなってきたのだ。防寒対策である。

控えなければいけないが、やっぱりショッピングは楽しい。H&M等に行って色々見て回るのはやっぱり飽きないものだ。

「ノートルダム大聖堂へ」
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次に向かったのがノートルダム大聖堂。ここが、『フランダースの犬』、ラストシーンの舞台だ。

ゴシック様式と思われるこの教会。細見を強調した教会の姿は美しい。金色の文字盤が光る大きな時計が教会の輝きをもたらす。

中に入ると、高い天井が現れる。その広い空間は教会の神秘な雰囲気を演出している。

ネロとパトラッシュが最後を迎えたのが、この教会の右手にある「キリストの降下」。キリストが十字架から降ろされる姿をリアルに描いている。『フランダースの犬』は実話ではないにしろ、ここでネロとパトラッシュが最後を迎えたことを考えると悲しい気持ちになるばかりである。

この教会はこの「キリストの降架」のほかにも、「キリストの昇架」などの様々な絵画が飾られている。教会のステンドグラスも奇麗だ。しかも、この教会も含めてここアントワープには観光客がそこまで多くない。絶交の穴場でもあるので、一見の価値はある。

「昼食」
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昼食には食パンとポテトサラダ、ぶどうにラザニア150gを購入。これは夕食分も含んでいる。食パンは25%値引きされ、45セント(約60円)と格安だったので嬉しい。ポテトサラダは、マッシュポテトの上にたくさんマヨネーズをかけてニンジンの細かいかけらを上に乗せただけのもの。ポテトの食感が残る日本のポテトサラダの方がおいしい。ラザニアは1kg9.5ユーロで売られていたので150g購入。だが、スーパーにレンジがなかったので冷たいまま食べることに…それでも十分おいしく食べられた。

「パリへ」
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アントワープを後にし、電車でブリュッセル南駅へ。そしてそこからパリへ向かう。高速電車タリス以外にパリへダイレクトにつながる電車があるか調べた。タリスだと鉄道パスを持っていても追加料金がかかるからだ。駅のインフォメーションで聞くと、

「IC(Intercity:特急電車。追加料金がかからない)でパリに行くなんてもう時代遅れだよ。ICはなくなって今はタリスだけさ。」

もう時代遅れとは…時代が進むにつれて鉄道料金が高くなるのか。バックパッカーにとっては有難迷惑な時代である。

もう時間も17時。普通電車で乗り継ぎを何回かすればパリにたどりつくのだろうが、早くパリに行きたかった。夜のパリを見てみたかった。ここはタリスで行くことにした。

追加料金23ユーロ(約3000円)を支払い、ブリュッセルからパリへ一直線。所要時間が2時間である。まだ時刻は17時頃だったが、切符の発車時刻は19時過ぎ。まだまだ時間はある。

暇をつぶして発車時刻が近づいてきた。自分の電車を電光掲示板で探す。だが見つからない。切符をもう一度よく見てみる。すると、重大なことに気がついた!自分の切符に書かれている時刻は出発時刻ではなく到着時刻だったのだ!ここベルギーの切符を見たのは初めてなので、間違えて読んでしまったのである。

あわてて切符売場に行ってチケットを変えてもらえるように説得すると、最初は6ユーロ(約800円
かかると言われたが、
「あなたは今日ラッキーよ。特別に無料で交換してあげるわ。」
本当に感謝である。電車はすぐにでるということなので急いでプラットホームへ。だが、電車は遅延しており、20分遅れてパリへと出発した。

タリスは世界最高水準時速300km/hを誇るフランスのTGVを基に作られている列車。新幹線よりも速い。乗ってみると、その速さがわかった。だが、列車はよく揺れるし、車内は結構ボロかったので、あまり快適とは言い難かった。

電車は21時頃、パリ北駅に到着した。

タケノコ

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