8月15日 ルーマニア(3):ブラショフ 「中世の街並みが残る街」

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歴史博物館(カーサ・スファトゥルイ)

ブラショフはルーマニア第2の都市。市内にはたくさんの中世に建てられた建物が残り、その風景はまるで絵本の世界がそのまま再現されたようだ。

ブラショフ近郊にはブラン城というお城があり、そこはドラキュラ伝説の舞台。城のまわりにはたくんさんのドラキュラグッズやお化けグッズが売られている。




















「ブラショフ駅での夜」
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夜のブラショフ

ブラショフ駅には夜の9時頃到着した。今回も駅で寝ようと思ったが、駅にはたくさんのホームレス達が住んでいた。いつもと違って雰囲気が悪かったが、ホテルに泊まるのもお金がかかってしまうので、私はいつもと同じように駅で寝ることにした。

だが次の日の朝、起きてみると靴が無くなっていた。パソコンカメラなどの貴重品はいつもバックにまとめて抱いて寝るし、ザックにはどこか手をかけるなど寝るときには何か盗られないように注意しているが、靴だけはそのまま置いておいてしまった。

靴は汚いし、靴底のゴムははがれかけていた。盗られるはずがないと思った。だが、こんなものでも盗る人がいるのだ。

あの靴はこの1か月半旅を共にし、トルコの靴屋で丁寧に修理してもらったり、マケドニアで靴磨きしてもらったり、色々思い出があったものだったが、残念ながら誰かの手に渡ってしまった。

どんなものでも用心して盗られないようにしなければならない。

他にコソボで1ユーロ(130円)で買った薄っぺらいサンダルしか持っていなかったので、良い靴が見つかるまでこの薄っぺらいサンダルで過ごすしかなかった。

「ブラショフ市内散策」
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ブラショフ市内。世界で一番の都市?

駅からはバスですぐに市内へ行けるようだが、歩いて市内に向かうことにした。私は街の様子を歩きながら見渡すのが好きなのだ。朝だからということもあるが、外は夏だというのに肌寒い。

市内へは30分ほどで到着。まだ朝早いせいか、街の店は閉まり、人の数は少なく閑散としていた。

市内の中心には大きな広場があり、そこは絵本に出てくるような古い洋風の建物に囲まれている。座ると、中世にタイムスリップしたような感覚に陥り、とてもロマンチックである。

鳩が大量にいて、人々がパンのかけらを投げると大量の鳩が飛びついてくる。だが、その大量の鳩が一斉に飛び立つ姿と中世の建物はなんだかよく合った。

インフォメーションに行ってブラショフの観光スポットを調べようとしたが、今日は土曜日なのでお休みなのだという。一番観光客が来るだろう休日がお休みとは変なインフォメーションである。

広場のすぐ近くに、ブラショフのシンボルである「黒の教会」に足を運んだ。この教会は、昔他国が侵入してきた際の大火の煙で黒くなったので、黒の教会と呼ばれるようになったのだという。

確かに教会は煙で黒くなったような感じだ。だがそれは外装のみで、内装は煙にやられなかったのか、黒くなかった。

大きなゴシック風の教会。細見を強調する建物の作りと黒い外見は、教会とは思えぬほど邪悪な雰囲気である。

「ブラショフの裏山へ」
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街の裏に山があり、上へと登れるケーブルカーがあったので乗ることにした。山の上で結婚式でもあるのだろうか、正装をした家族が同じケーブルカーにたくさん乗っていた。

山の上はあいにく曇っていて、ケーブルカーの行先が見えないほど雲に囲まれた。

10分ほどで頂上に到着。ケーブルカーで、同じく一人で東欧を周遊しているドイツ人と知り合い、一緒に山を歩くことにした。

ケーブルカーの降り場から少し歩くと、展望台があった。展望台の隣にはハリウッドのように大きく「BRASOV」と書かれた看板があった。正直この街にこの看板は似合わないような気がする。

最初曇っていたので展望台からブラショフ市内を見渡すことができなかったが、雲が次第に流れて市内を一望することができた。オレンジ色の屋根が広がるブラショフの景色はとても美しかった。

「ルーマニアのクマ事情」
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ルーマニアには日本のような深い緑に囲まれた山が広がる。とても美しいのでぜひキャンプをしたいところだが、そこにはたくさんの大きなクマがいる。

ケーブルカーで会ったドイツ人は昨日クマウォッチングツアーに参加し、この山の裏で、ごみ箱をあさるクマを見たという。この辺りのクマは人間に危害を加えることは少ないのだとか。むしろ怖がっているようで、ごみ箱をあさるとすぐさま山の方に走って逃げていったという。クマは人間に危害を加えるものだと思っていたが、ルーマニアでは稀であり、のんきにクマウォッチングツアーを企画してしまうほどだから驚きである。

日本だったらクマが出たら大騒ぎで、すぐに銃で殺してしまうところだ。

クマは危険なことには変わりないが、ルーマニア人はクマと共生している。必要以上に警戒する日本がなんだか寂しく思えてきた。

「ブラン城へ」
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ドラキュラ伝説の舞台 ブラン城

冒頭でも紹介したとおり、ブラショフ近郊にはドラキュラ伝説の舞台となったブラン城がある。

ドイツ人に行き方を教えてもらったので行ってみた。ブラショフのバス乗り場から1.5レイ(約45円)のバスでバスターミナルへ行き、そこから4レイ(約130円)で1時間の距離をバスで走るとブラン城のあるブランに到着した。

ブラン城はドラキュラ伝説の舞台。そのせいか、ドラキュラや洋風のお化けグッズがたくさん並んでいた。

このブラン城はなんと私有物。ルーマニア共産党時代に一時的に国有化されたが、現在は持ち主に返還された。現在は博物館として使用されているが、将来は完全に私物化されることもありうるそうだ。ただ、ブラン城のまわりには宿やお土産屋などでにぎわっているので、このブラン城が完全に私物化されたらこのブランに住む人々はたまったものではないだろう。

ブラン城への入り口には列ができていて、30分ほど待たされた。入場料は学生料金で8レイ(約260円)。城は私の思っていたヨーロッパ中世の城というよりは、一般的な家が巨大化したような雰囲気である。

中にはこの城の当主であろう人々の記念品や写真がたくさん展示されていた。

「シナヤへ」
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ブラン城へ行くバスの中で、キャンプの道具を背負ったカップルがいた。ルーマニアにはたくさんの山が広がっていたのでぜひキャンプをしたいと思っていたのでどこかいい場所はないか聞いてみるとこにした。

話してみると、彼らはイスラエル人で、やはりルーマニアにキャンプしながら旅行しているそうだ。彼らは昨日までシナヤという場所でキャンプをしていて、とても気にいったのだとか。鉄道駅のそばからケーブルカーが出ていて、山の上まで一気にいけるのだという。

一応クマは出ないかと聞くと、
「そんなの見たことないよ。」
と返された。シナヤは安全なようだ。

私は街ばかり旅行していたので、そろそろ大自然の中を旅したかった。このシナヤはそんな私にぴったりの場所のようだ。

私はブランからブラショフに戻り、電車でこのシナヤへ向かうことにした。

さすがに山へ薄っぺらいサンダルのみでいくのは無謀だったので、ブラショフ駅の近くに大きなショッピングセンターで靴を買った。値段は34レイ(約1000円)。安物だが、サンダルよりはましである。

「ルーマニア最新最速電車」
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最速電車IC
私がブラショフ駅に着いたのは午後7時頃。シナヤへは2時間ほどかかり、到着する頃には午後9時。ヨーロッパでは9時頃暗くなる。キャンプする場所を探すのに暗いと危険なので、もっと早く着くため、ルーマニア最新最速電車「IC(インターシティ)」に乗ることにした。

この電車だと出発は17時30分んで、所要時間は1時間。これならギリギリ明るい時間に到着できる。料金は22レイ(約700円)程なので、キャンプをするためにこの電車に乗ることにした。

だが、電車を待ってもなかなかこない。なんと電車は30分以上遅れて到着した。これでは最速電車に乗った意味がない。

電車は文字通り最新の電車である。今まで私が東欧で乗ってきた古い電車とは全く違った。相席の個室ではなく、単なる相席で、席にはテーブルがあって便利だ。

ただ、新しい電車だからだろうか、窓は開閉不可能だった。これが当然のスタイルだろうが、今まで窓から顔を出しながら電車の旅を楽しんでいた私には少し残念だった。

午後9時杉、真っ暗闇の中、電車はシナヤに到着した。

「駅近くのキャンプ場」
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駅を出ると真っ暗。回りには何もありそうになかった。タクシーが泊っていたので、運転手にこのあたりにキャンプ場はないかと聞いてみた。
「あるよ、6kmくらい先にさ。」
この真っ暗やみの中を一人で歩くのも危険なのでタクシーを利用しようと考えた。聞くと、料金は15レイ(約500円)。それならばと思い、タクシーでキャンプ場へ向かうことにした。

キャンプ場へは15分程で到着。タクシーにはメーターが付いており、そこには13.50レイと書かれている。だが、到着間際に運転手はメーターを切り、私に15レイ請求してくる。

冗談ではない。タクシーの運転手にメーターの電源を付けさせ、レシートを出させて13.50レイ支払った。タクシーはやはり基本的にぼってくるようである。

キャンプ場はコテージか自分のテントを張るか選ぶことができ、コテージは一泊40レイ(約1300円)、テントは一泊20レイ(約650円)だった。コテージも魅力的だったが、せっかくテントをもっていたので、テントで泊ることにした。ここにきて初めてのテントである。

テントを張ってシャワーを浴び、辺りは森に囲まれ真っ暗だったので、私はすぐに寝た。辺りはとても静かで快適だ。街ばかりではなく、たまには大自然の中で過ごすのも刺激的である。

タケノコ

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