10月29日 エジプト(5) アスワン:「南エジプト」

ナイル川とエレファンティネ


「どこ出身だ?日本人か?」
道端の人々がこう話しかけてくる。カイロと同じように、この地域のエジプト人達もフレンドリーな人が多い。

今回向かったのは、世界遺産アブシンベル大神殿などの遺跡近くにある街、アスワン。

ここアスワンはカイロと違って人や車が少ない田舎街。だが、南エジプト観光名所の拠点となっているため、多くの観光客が集まる。

今日はそんなアスワンをぶらりと旅した。

「到着」
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バスターミナルに到着したのは午前9時頃。出発したのは昨日の5時なので合計16時間もかかった。窓口では12時間と言っていたのに、えらい違いである。しかも市街はそこから5kmも離れているという。私は歩いて行った。

「タクシー?タクシー?」
道を歩いていると、タクシーの運転手に何度も声を掛けられる。最初は丁寧に断って行ったが、何回も来ると断るのも面倒になってくるものだ。

「ホテル探し」
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アスワン市街には30分程で到着。早速ホテルを探す。『地球の歩き方:エジプト編'09-'10版』に書かれ、サファリホテルの人も教えてくれた「Maruwa」というホテルを最初探した。ドミトリーでなんと一泊7.5ポンド(約110円)という格安ホテルである。

Maruwaホテルの近くに行くと、地元の人々が聞いてもいないのに、
「Maruwaはこっちだよ。」
と教えてくれる。よっぽど人気のあるホテルのようだ。だが、行ってみるとすでに満室。

次に向かったのが、韓国人に人気のあるという「ヤッシィーンホテル」。ここのオーナーは多くの韓国Web掲示板に載っている程有名な人なのだという。シングル一部屋30ポンド(約450円)。この辺りにしては高いので他も探してみることにした。

ヤッシィーンホテルの隣にあったのが、「Noorhan Hotel」。シングル・ダブルのみでシングル一泊25ポンド
(約370円)だった。まぁこんなものだろうと思い、このホテルに泊ることにした。シングルだったがベットは2つ。共同トイレ・シャワーが少し汚いこおを除いて、内装はとても綺麗だった。

泊ったホテルNoorhan Hotel 一泊25ポンド(約375円)

「昼食」
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昼食はホテル近くのチキン屋で取った。チキン4分の1サイズ、豆とトマトのスープ、ライス、パン、サラダが付いて8ポンド(約120円)。ボリューム満点でこの値段。やっぱりエジプトは安い。チキンはちょっとパサついていたが、香辛料で味付けされているサラダは美味しかった。

「エレファンティネ島」
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エレファンティネ島

南エジプト最大の見どころ、アブシンベル大神殿へは明日早朝のツアーでなければ行けないということなので、今日はアスワンを観光することにした。

まず向かったのがナイル川の川中島であるエレファンティネ島。ここにはクヌム神殿という大きな神殿跡がある。ヨットのような形をした船「ファルーカ」を使って島へと渡る。

島には地元の人々が住む村が広がっているのだが、アスワン市街とは全く違った雰囲気。いたるところに羊が放し飼いされ、村のあちこちに廃墟のような建物があった。川を渡るだけでこれほどまで環境が違うのかと驚いてしまう。

クヌム神殿博物館には羊のミイラがある。この辺りでは羊が神聖な動物だったのだろうか。クヌム神殿は一部建物が残るのみで、そのほとんどが瓦礫の山であった。

「夕食」
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エレファンティネ島からファルーカでアスワンにたどり着いたころ、辺りはすでにもう暗くなっていた。アスワンは治安が比較的良いとはいえ、夜道を一人で歩くのは危険である。私はなるべく明るくて人通りが多いところを歩いた。

大通りに店先でおいしそうな肉棒を焼いているレストランがあったのでそこへ入ることに。12ポンド(約180円)で、肉約8本、サラダ、パン、ソースが付いてきた。こちらもボリューム満点でおいしい。ただ、付いてきたソースが薄味のクリームカレーのようなもので、自分の口には合わなかった。

「ホテルのバーにて」
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ビールが飲みたかったのだが、なかなか売っているところが見つからない。さすがイスラム国家である。ホテルの人に聞くと、ホテルに併設されているバーならばビールが飲めるというので行ってみた。

バーに行くと、エジプト人2人組みがビールを飲んでいて、
「日本人か!ここに座りな!」
と誘われたので座ることにした。

ビールを一本頼み、エジプト人と乾杯。お互い拙い英語で話しをした。片方の名前はオラビー。聞くと、この男は明日向かうアブシンベル大神殿を作ったラムセス2世の子孫なのだとか。確かに他のエジプト人と比べて高貴な雰囲気が漂っているのだが、そこまで偉い人の子孫だと言われると疑ってしまう。
「明日アブシンベルに行くんだって?近くにカフェがあるんだけど、私の名前を言えばサービスしてくれるよ。この近くにあるレストランでもだ。」
とにかく顔が広いようだ。
「明日、アブシンベルのツアーが終わった後私に連絡をくれ。私の家へ招待してあげよう。」
と電話番号をくれた。だが、正直に言って今日初めて会った人にそんなに優しくしてくれるこのオラビーという男をそこまで信じることができなかった。

タケノコ

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