11月16日 ヨルダン(6) 首都アンマン&イスラエル(1)首都エルサレム:「ヨルダンとイスラエルの国境」


イスラエル国

次に向かうのはイスラエル。三大宗教の聖地がある首都エルサレムがあるなど、見どころは盛りだくさん。エジプト・ダハブに続き、今回の旅行第二のハイライトである。

イスラエルは中東における国際政治問題の中心の一つであることは言うまでもない。ユダヤ人がこの地に入植し、イスラエルを建国。だがそこに元々住んでいたパレスチナ人がその独立を認めるはずがない。紛争が続き、和平交渉が進展した時もあったが、イスラエルとパレスチナとの間にある対立は今でも続く。パレスチナ自治区であるヨルダン川西岸地区とイスラエルの間にある大きな分離壁がその対立の根深さを物語っていた。

そんなイスラエルに行くわけなのだからそう易々と入国できるわけではない。ビザ発給は必要ないが、入国審査や手続きは、今まで旅してきた国の中で一番厳しいものだった。

また、イスラエルのスタンプがパスポートに押されているとイスラム諸国への入国を拒否される場合がある。シリアやレバノンもそのうちの国で、自分がこれから行きたいと思っていた国々である。そう行った人々に配慮して、イスラエルはスタンプをパスポートに押さずに別紙に押すように要求できる。ただ、その理由を怪しまれないように伝えなければならない。英語が拙い自分にとってはなかなかの難問である。

うまくクリアすることができるのか。今後の旅を成功させるためにも、気をつけなければならない。

「アンマン出発。国境キング・フセイン橋へ」
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福田さんの家を後にし、イスラエル国境へ向かった。福田さんが教えてくれたセルビス(乗り合いタクシー)に乗って、国境へ行くセルビスが集まる場所へ行く。そしてそこから1時間半ほどで国境へ到着した。

出国税5ディナール(約600円)を支払って出国審査へ。ヨルダン側の審査官はとても陽気だった。
「どこ出身だい?いいね~日本は。俺もいきたいよ。」
そそいいながらパスポートではなく別紙にスタンプを押してくれた。審査官が冗談でパスポートにスタンプを押すふりをした時はビックリ。

たまに間違えて押されてしまう不幸者がいると聞く。間違えて押されたら旅程が大幅に狂うため、間違えではすまい。

ヨルダンの国境からバスで国境の周りに設定されている弛緩地帯を行く。このバスに乗車するのに5ディナール(約600円)。国境は色々お金がかかるものだ。

国境であるヨルダン川の上を、日本の援助で建てられたキングフセイン橋をバスが行く。なぜ日本の援助かわかったかというと、橋の前にヨルダンと日本の国旗がある看板があり、キング・フセイン橋と書かれているからである。こういうように日本の援助を宣伝しているのを見ると、いつも自国ながら気恥ずかしくなってしまう。

「イスラエルの入国審査」
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イスラエル側に入って入国審査へ。警備はヨルダンと比べ物にならない程厳重だった。まず到着すると荷物を預けさせられる。荷物をお持ち歩いて出入国センターを歩くことは禁止されているようだ。荷物を預けた後、身体検査。これは他の国と変わらなかった。

次はついに入国審査官との対面である。イスラエルの出入国スタンプがパスポートにある場合、他のイスラム諸国に入国できなくなる。イスラエルは嫌われているのだ。だが自分は他のイスラム諸国に行く予定がある。

イスラエルもそのことを配慮して、パスポートではなく別紙に入国スタンプを押すことで入国を認めている。だが、この特別措置を受けるためには「怪しまれない」ようにしなければならない怪しまれればパスポートにスタンプを押されるばかりか別スペースで2~3時間待たされるらしい。

あいにくイスラエルの入国審査官は世界一質問好きだ。

「なぜ別紙にスタンプが必要なの?」
「(イスラム諸国である)シリアへはなぜ行くの?」
「ホテルはどこに泊るの?」
「(現在対立している地域である)パレスチナ自治区には行くの?」
「滞在期間は?出国はいつ?」
・・・・・・・

一応想定の範囲内。途切れることなく答えられた。就活で養った面接スマイルで愛想を良くしていたものの、手は汗で一。杯そして、

「良い旅を!」

そう言われて別紙に押されたスタンプと共にパスポートが手渡され、見事クリア晴れてイスラエルへ入国できた。とりあえず一安心である。

「ノックダウン、再び」
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ホテルの近くにある旧市街のダマスカス門

国境からはミニバスで首都エルサレムへ向かう。値段ははっきり覚えていないが、そのミニバスはとても高い。イスラエル全体の交通機関が高いわけではなく、このミニバスだけ何故だかわからないが高いのである。

ミニバスの中で知り合ったアメリカ人カップル、なんとここイスラエルに住んでいるのだという。以前コソボに行った時もこれからコソボへ移住するというアメリカ人がいた。世間で一般的に危険と言われているところへ移住するのはすごい。

アメリカ人達は親切で、自分を予約したホテルまで案内してくれるという。バスの中で知り合った韓国人も一緒になり、バスを降りて約30分も歩いてくれ、
「ここが君達のホテルがある通りだよ。良い旅を!」
と言って自分達の家に帰って行った。なんともやさしい人達である。そしてそこから韓国人と一緒にホテル探し。何度も交差点があったので道に迷っているのか心配だったので、通りすがりの人に確認しながら歩いて行った。

そしてその道をまっすぐ行ってたどり着いたのが、さっきバスを降りた場所から10分程度の場所。どうやらこの辺りを一周してしまったようだ。バスから降りてもう45分くらい経っていたのに。なんだかバカバカしくて笑えてくる。

「Palm Hotstel」
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自分が泊ったのはPalm Hostelという場所。インターネットサイト「Hostel World.com」で予約した。この宿は無線LANがあり、キッチンも使えてコーヒー紅茶が飲み放題。エルサレムでは安い1泊10ドルで泊ることができた。

宿に着き、もう3時になっていたのに何もまだ昼ごはんを食べていなかったので、近くのサンドイッチ屋に行ってシュワルマ(アラブのパンにコロッケのような揚げ物やフライドポテト、キャベツなどの野菜が入ったもの)を食べた。自分の買ったものは白身魚のフライが入ったもので、普通のものより脂が少なくておいかった。値段は1つ9シェケル(約180円)。ヨルダンよりは高いかも知れないが、思った以上に高い値段でないので安心した。

シュワルマを食べると、なんだか胃が痛くなり、頭がふらふらしてきた。まだ昨日からの病状は完全に回復していないようだ。

この症状が続いてはまずい。早く治さねば。イスラエルは先進国のような国である。医療機関も十分に発達していると思うので明日はイスラエルの病院に行こう。そう思った。

それまでとにかく一休み。シュワルマを食べた後、自分はすぐにベットへ横になった。

タケノコ

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