11月23日 シリア(4) 首都ダマスカス&レバノン(1) 首都ベイルート:「レバノンへ」





シリア首都ダマスカスを去り、次に向かうのはレバノン首都ベイルート。

レバノンは当初行く予定になかった。なぜなら、外務省の安全情報を見ると多くの地域で上から二つ目の危険レベルである「渡航の延期をおすすめします」や、上から三つ目の「渡航の是非を検討してください」と表示されているからである。理由は2006年に起きたレバノン紛争の余波である。過激派が各地に分散し、彼らの行うテロや彼らの残党掃討作戦が行われているというからである。

だが、旅で会うレバノンに行った多くの旅行者に聞くと、
「別に問題ない。」
という。ならば行ってみよう。

レバノンで楽しみなのがなんと言ってもレバノン料理。レバノン料理はアラブ料理のルーツといわれ、評判がよい。是非とも味わいたい。

「ダマスカス発」
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朝食にはチョコパンとチーズパン(各25ポンド:約50円)。宿の近くにおいしいパン屋さんを発見。旧市街のまっすぐな通りにあるパン屋だが、ふわっともちもちして良い。

宿代を払い、出発。ベイルートへ向かうバスターミナルへ歩いて行った。『地球の歩き方:レバノン・シリア・ヨルダン編:06-07年版』を頼りにベイルート行きのバス乗り場へ歩いて向かう。だが、その場所にバス乗り場はなく、荒地と化しているではないか。やはり3年も経つと土地は変わるようだ。通りすがりの人に聞いたところ、ソマリエという場所からバスが出ていて、そこまでのバスが近くから出ていると言うのでそのバスを乗ることにした。バスの運賃は10ポンド(約20円)。バスはとても安い。

ソマリエに着いてベイルート行きのチケットを購入。学割で350ディナール(約700円)だ。4時間の距離にしては安い。この辺りの地上による移動手段はどこも安い。12時半にベイルートに向けて出発した。

「レバノンとシリアの国境」
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シリアとレバノンの国境は問題なく通過できたが、結構お金がかかった。シリアを出るのに600シリアポンド(約1200円)、レバノンの15日ビザを取るのに25000レバノンポンド(約1500円)かかるのだ。レバノンの北の方から入国するればレバノンのビザを無料で取得できるようだが、そのために長い時間バスに乗るのも微妙なので首都ダマスカスから直接ベイルートに向かった。

「中東のヨーロッパ」
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レバノンの大地

レバノンに入ると目に入ってきたのは大きな山々。レバノンには2000m級の山々が連なり、頂上付近には雪が積もる。シリア南部やレバノンのように砂漠が広がっているのではなく、草原が広がり、緑も多い。アラビア語だけでなく、フランス語を話す人々も多い。まるでヨーロッパに来たみたいだ。

首都ベイルートは地中海に面しているので、冬でも比較的温暖。寒かったシリア首都ダマスカスとは大きく違い、すごしやすい。街は2006年のレバノン紛争時にイスラエル軍の空爆によって損害を受けたため、まだあちこちに紛争で廃屋になったような建物が残っている。だが、復興作業が進んでいるのか、特に街の中心部はとってもモダンで新しい建物が多く立ち並んでいる。この国この都市は普通のアラビア諸国とは大きく違う一面を持っている。

ベイルートに到着し、バスを降りて『地球の歩き方』に載っている宿を探す。だがなかなか見つからない。仕方がないので、探している途中見つけた1泊10米ドル(約900)の安宿に泊まることにした。

「レバノン料理レストラン」
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宿に荷物を置き向かったのがこちらもまた『地球の歩き方』に掲載されている「Le Chef」というレストラン。「欧州メディアに取り上げられる程人気」と『地球の歩き方』には書かれている程。一体どんな料理なのか胸が高鳴るばかりである。

「Le Chef」はそこまで大きくなく、内装も他のアラビア諸国にあるレストランと変わらない。店員が
「WelCome Welcome」
と連呼して自分を迎えてくれた。

頼んだのは店員いわく「典型的なレバノン料理」だという豆とラム、レーズン、ナッツが煮込まれているものがご飯にかかったもの。これがとても美味しかった。他のアラビア諸国のレストランならばライスが塩辛かったり、ソースが脂っこかったりするのだが、そんなことは全くない。値段は8000ポンド(約500円)。流石噂のレバノン料理。とってもおいしい。

『地球の歩き方』にフィエタといヨーグルトの軽食料理があるというのでそれも頼んでみた。だが、出てきたのは軽食ではなく主食、それも大盛りサイズの主食である。料金は4500ポンド(約270円)。ボウルの底にカリカリに揚げられたパンと豆が入り、上にはオリーブオイルとヨーグルトが混ぜられたソースがかかっている。ヨーグルトを料理に使うという発想があまりない自分にとってはおもしろい料理だったが、先出の料理と合わせて食べているためか、とても脂っこく感じた。正直いってそこまで美味しいものではないが、変っているので食べてみる価値はありそうだ。

「ホテル移動」
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お腹いっぱいになってホテルに帰った。こんなにお腹いっぱいになったのは久しぶりである。ホテルに帰り、インターネットができるということなのでネットをしようとした。だが、つながらない。今夜はネットでやらなければいけないことがあったので、インターネットがどうしても必要だった。

探してみると他に良い宿があり、ネットが使えたので移動しようとしたのだが、まだホテルに着いて3時間くらいしか経っていないのにもかかわらず、
「宿泊料金を払え。」
と言ってくるではないか。相手の言い分はこうである。
「軍にホテルの宿泊者情報を送る必要があったんだよ。その手間に何の対価もないというのか。」
でも自分は4時間しかいなかったし、ホテルのものを何か使ったかといえばトイレくらいである。しまいに宿のやつは嘘を付いてきた。宿の従業員は2人いて、宿に入った時は今対応している人と別の従業員が対応していた。自分が入ってきた時の従業員はまだホテルにいたので、今自分が対応している従業員が彼に、
「この日本人は何時にここにきたんだ?」
「2時頃じゃないかな。」
自分が入ってきたのは空が暗くなり始めてきたころ、つまり午後5時半頃。そのうそをきっかけに、自分が抑えていた怒りが飛び出した。
「ふざけるな!うそついてるんじゃない!俺がきたのは5時半頃だろ!」
従業員は、
「おちつけ。いいか。それでも俺は仕事をしたんだぞ。」
「俺に嘘ついてまだお金とろうとしてるのか。馬鹿にするんじゃない。」
「わかったよ。出て行け。おまえなんて二度とこのホテルに泊めてやるか。」

二度と泊ることなんてないだろう。

「新しい宿」
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この宿は『地球の歩き方』にて紹介されていたのだが、歩きたの地図が無茶苦茶で、あるべき場所に宿がない。『地球の迷い方』発動である。通りすがりの人に何度か聞いてやっと見つけることができたのだ。

新しく移ったホテルはとても快適。インターネットももちろん使え、宿の人々も良い人ばかりだった。ポーランド人のアダムやイタリア人のジョルダンなど、結構仲良くなった人達もできて楽しい。

レバノンでの生活はとっても良いものになりそうだ。

タケノコ

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