11月13,14日ヨルダン(3,4) ぺトラ・首都アンマン:「病との闘い」

発熱、出血を伴う下痢、頭痛、全身の関節痛とだるさ、食欲不振…
この二日間、病との闘いであった。

事の発端は日差しが強い中ぺトラ遺跡を6時間近く歩いていたこと。大きな谷を形成しているため、登り下りも激しく、体力を消耗したのだ。

宿にいた日本人に風邪薬をもらったが熱が下がるのみで他の症状は一向に治る様子はない。ぺトラの宿で一日寝ていても無理だった。このままもう1日寝ても同じだろう。そう思い、首都アンマンにいる父の友人福田さんを頼りにしようと考えた。とても迷惑な話であるが、この症状がずっと続くのは辛すぎる。

13日は金曜日。イスラム教国家のこの国では休日だ。残念ながらアンマンへのバスはない。だが、運が良いことにこれからアンマンへ行くから乗っていくかという人が宿にいた。そして夕方、首都アンマンへ出発。車はライトも何もない荒野を突き切る道路を猛スピードで突っ走って行く。相手の車が来ると相手のヘッドライドがまぶしくて車線が見えない。そんな状態で猛スピードで突っ走って行くのだ。正直冷や冷やするが、運転手は至って冷静であり、たばこを吸いながら運転する。アカバからぺトラにタクシーで向かう時も同じだった。これがヨルダンのスタンダードなのだろう。

アンマンに到着し、福田さんの家へお邪魔させてもらった。手料理をふるまってくれるなどとても歓迎してくださったが、残念ながら症状が改善していないので食欲がなく、何かを食べる度に腹痛と下痢が起こった。本当に申し訳なかったが、せっかく作っていただいたオクラカレーを残してしまった。福田さん、本当にごめんなさい。

次の日、クレジットカード会社が紹介してくれた病院へ行くことにした。福田さんはなんと仕事を休んで自分についてきてくれた。本当に優しい福田さん。何度も迷惑を掛けてしまった。

病院で自分の拙い英語で症状を伝えると、お尻に注射を一本打たれ、薬を渡された。かかった費用は51ディナール(約6120円)。保険に入っているので後から返ってくるのだが、今は建て替えなければならないのが辛い。

もらった薬はどのような効果があるのかネットで調べてみると、「風邪薬」、「咳どめ」、「抗生物質」等だ。これらを服用して症状は改善したものの、頭がふらふらしたり、胃に痛みが残ったため、途中で服用をやめた。この症状は風邪ではないと確信したのと、抗生物質は副作用があるからである。

病との闘いはこの2日間で完全に終わらなかった。頭のふらつきと胃の痛み。この二つの症状は後4日間続いたのだ。



何の病気か。最初は解らなかった。病院に行っても言葉が通じぬため、よくわからなかったが、『地球の歩き方』に書かれている病気の頁を見て似ている症状を持つ病気があった。

「赤痢」である。

食事や水などから腸の中にアメーバ菌が入ることで発生する。通常は体の抗体によって侵入を防ぐことができるようだが、体力を消耗していたりして体が弱っている時には防ぐことができなくなる。症状は出血を伴う下痢、発熱、頭痛、全身の痛みなど。まさに自分がかかった症状である。赤痢は抗生物質を飲めば治ると書かれている。アンマンの医師は自分が赤痢にかかっている可能性を見出し、抗生物質を自分に渡したのだろう。拙い英語で頑張って症状を伝えた甲斐があったようだ。

タケノコ

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