7月21日 イタリア(6):フィレンツェ&ピサ 「美しい街並み:フィレンツェ」

「起床」
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昨日は宿に辿りつくまでに時間がかかったが、部屋の雰囲気も良く、ドミトリーに一緒に泊まる人々も良かったのでぐっすり眠れた。

朝9時頃起きた。昨日会ったルーマニア人の人はもうすでに立ち去っていたが、二人のカップルはまだ寝ていた。私は静かに支度を済ませ、宿を後にした。

フィレンツェから電車で1時間ほどしたところにピサがある。ピサといえば、あの有名なピサの斜塔があるところである。ぜひともいきたいところだ。私は最初、今日のうちにピサもフィレンツェも両方回ろうと思ったが、やはり時間的に無理なようだ。今泊まっている宿は安いので、もう一泊しようと思い、再び駅の公衆電話で宿の主人に電話をかけることにした。

駅に向かう途中、スーパーマーケットがあったのでそこで朝食を購入した。いつもの通りのバナナと、今日は桃を購入。二つで1ユーロもかからなかった。さらに30セントのヨーグルトと、80セントの500ml牛乳を購入し、朝食とした。私にとって朝食は貴重な栄養源である。イタリアで安く食事を済ませようとおもってもピザくらいしかないからだ。最近サラダを食べていない…サラダが食べたい今日この頃である。

「フィレンツェ駅へ」
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スーパーで朝食を済ませ、私は駅に向かった。まず駅の公衆電話がある場所に行き、昨日電話をかけたホテルLocanda Roccoの番号に電話をかけた。
「もちろんいいですよ。いつ宿泊料金を払えますか?」
今からピサに向かおうと思っていたが、やるべきことは早く済ませようと思い、今から20分後と伝えた。値段を聞くと、
「Locanda Davidの正規料金は14ユーロ(1820円)ですよ。」
とても安い。私は料金を払うために、すぐにホテルへ帰った。

「再びホテルへ」
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ちょうど電話してから20分ほど経った頃、私はホテルに到着した。そろそろ従業員がホテルにやってくるかなと思ってもなかなかやってこない。おかしい。30分くらい待ってようやくのこのこやってきた。イタリアではこのくらいの遅れは普通なのだろうか。

料金を14ユーロ支払った。今は部屋に私一人しかいないので、ちょうど良いと思って洗濯をした。私はいつも洗濯を洗面所で行っている。コインランドリーやホテルのサービスを利用するとお金がかかるからだ。洗面所に水を貯めて洗剤を入れ、そこで服をごしごし洗うのだ。最初こんなことするの私くらいだと思っていたが、意外にも旅の途中で会うバックパッカ―は皆この方法で洗濯していた。皆考えることは同じなようだ。

「ピサへ」
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洗濯を終え、私はホテルを出てピサへ向かった。駅に着いて自動券売機のピサ行き電車時刻を見ると、ちょうどいまから10分後に出発だったので急いで券を購入して電車に乗った。

イタリアの電車は、あまり洗車していないのか外見はボロイのだが、内装は比較的新しい。しかし、やっぱり日本の電車の方が全体的にきれいなように思う。誇るべき日本の電車である。

ピサへは約一時間ほどで到着した。駅を降りると駅前広場が広がる。フィレンツェ程観光客は多くないようだ。私は駅からピサへ歩いて向かった。

「2度目のスパゲティ」
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時刻はちょうどお昼時の12時を過ぎたころ。そろそろお腹が空いてきた。前回ローマで食べたカルボナーラは正直失敗だった。やっぱりイタリアのおいしいスパゲティを食べてみたい。私はそう思って、どこか安いスパゲティのお店はないか探した。

4ユーロ(520円)代のスパゲティはないかと探したが、なかなか見つからない。10軒ほどさがして、ようやくポロネーゼを4.5ユーロ(585円)で提供している店を見つけて入店した。

店は小さく、テーブルは6つ程しかなかったが、机の上にシートが敷かれ、フォークとナイフもきちんと袋に入れられ、機械で閉じられている。なんだかこだわりがありそうなお店だと思い、期待した。

ポロネーゼを注文すると、麺の種類を聞かれた。私はスパゲティが食べたかったので、スパゲティと答えた。

私の隣では、4人家族が生ハムメロンを食べている。私は生ハムメロンを食べたことがない。ぜひ本場の生ハムメロンを食べたい!と思ったが、ここは我慢してスパゲティだけに抑えておいた。

15分ほどしてポロネーゼが出てきた。イタリアにしては安価なのに、結構な量である。パスタ200gはあるだろうか。よく食べる私はとてもラッキーな気分にさせられた。味はおいしいものだ。パスタのゆで具合も良い。

だがしかし、私が思うにこのようなパスタは日本でも食べられるのではないかと思える。私はまだイタリアの一流レストランに入ったことがないので一概にはいえないかもしれないが、イタリアのパスタを食べると日本のパスタは食べられないとまではいかない。きっと日本のイタリア料理はとてもおいしいのだと思う。ミシュランガイド「東京」には世界で一番多く三ツ星レストランがあるそうだ。海外の様々な国に行くことで、初めてグルメ大国日本を実感した。

「ピサの斜塔へ」
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パスタを食べ終え、再びピサの斜塔へと向かう。途中、日本の99円ショップならぬ99セントショップがあった。日本程普及していないが、世界どこでもこのような店は存在するようである。

そしてしばらくして背の高い建物と建物の間からピサの斜塔が姿を現わしてきた。なるほど、本当に傾いている。こんなに大きな塔が結構な角度に傾いて建っている姿はまさに奇跡であろう。

近くに行ってよく見てみると、塔は完全にまっすぐに傾いているのでいるのではなく、少し曲がっている。こんなに曲がっても何十年と崩れないとは、昔の建築技術は確かなものだったのだろう。

広場に行くと、いままでピサにそんなにいなかった観光客が一気に現れた。みんなピサの斜塔を手で押しているような写真を楽しそうに撮っている。

近くにはドゥオーモという教会もある。ドゥオーモは真白で、ピサの斜塔と青い空、そして建物の周りに広がる芝生ととても良く似合う。とてもおしゃれな雰囲気である。

ドゥオーモの隣には同じく白くて丸い形をした洗礼堂があった。中に入ろうと思ったが、ドゥオーモと洗礼堂はともに入場料を支払わなくてはいけなかったので、私は外だけ眺めることにした。

周りの芝生は養成促進のためか、立ち入り禁止になっている。だが、無数の観光客はその中に入り、ピサの斜塔をバックに写真を撮っている。周りを見ると芝生が剥げているところがあった。奇麗な風景を壊してまで写真を撮る観光客。本当に残念な観光客である。

「フィレンツェへ」
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ピサの斜塔を見たあと、私は駅に行き、再びフィレンツェへ向かった。ピサの駅でトイレに行ったのだが入るのに70セント支払わなくてはならなかった。イタリアの電車の駅はそのほとんどが有料トイレである。急いでいた私は仕方なくそこで料金を支払い、トイレに入った。

フィレンツェに着くともうすでに4時だった。しかし、イタリアは午後9時頃日が落ちるため、まだまだ十分フィレンツェを回れる時間だった。

私がまず向かったのが、駅の近くにある「サンタ・マリア・ノヴェラ教会」だ。外壁が濃い緑と白で装飾され、とてもおしゃれである。ローマではこのようなデザインをみなかった。早速中に入ってみようと思ったが、残念ながら16時半で閉館だった。もしかして他の観光スポットもこのような感じなのか。

「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」
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次に私が向かったのが、花の聖母教会として有名な「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」である。この教会を作るのになんと175年の月日を費やしたというので早速行ってみる。

外壁にとても細かく彫刻が施され、様々な石の色で彩られている。外装が、細かいところまで掘られている彫刻がここまである教会はローマにはあまりなかったように思う。ピサにあったドゥオーモもまた細かい彫刻があって奇麗だったが、こちらの教会は彫刻に加えて、あまり主張しすぎない色の模様を使って彩られているところがおしゃれである。

こちらの教会は無料で中に入れるようなので、早速中に入ってみる。ここでも服装チェックが厳しく行われていた。

内装は外装と違ってとてもシンプルである。白く塗られた壁が天井まで高く広がっているのだ。だが、このようなシンプルな教会は、天井の小さな窓から入る光がより主張されるので、私はより神秘的なものを感じることができた。

教会の中心の天井にはフレスコ画が描かれている。こちらもヴェネチア博物館で見た天井と同じように、だまし絵が施されていて、真下からみるとその絵が立体的にみえるようになっている。昔はこのようなだまし絵がはやったのだろうか。

外に出ると、高さ91メートルの塔クポーラが建つ。昇ってみたかったが、あいにく入場料を支払わなければならなかったので諦めた。

「ウッフィツィ美術館」
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次に向かったのは、なんとあの有名なボッティチェッリ作の『ヴィーナスの誕生』があるウッフィツィ美術館である。私は個人的にパソコンソフトAdobe Illustratorというソフトをよく使っているのだが、そのロゴがこの『ヴィーナスの誕生』に描かれているヴィーナスの顔なのでなじみが深い。

ウッフィツィ美術館の前にはたくさんの人々が並ぶ。近くにいた人によると、なんと2時間前後、最大3時間待ちだというのだ!この長さ、東京ディズニーランド以上である。だが、私は他に行きたいところがあるとすれば、フィレンツェが一望できる「ミケランジェロ広場」ぐらいだったので、辛抱強く待つことにした。

実際に待ってみたところ、1時間程で入ることができた。ラッキーである。

中に入る時に水を持って行ってはいけないため、せっかく買った水のペットボトルを一気飲みする羽目になってしまった。

ここの美術館は館内撮影禁止。日本なら普通そうなのだろうが、いままでヴァチカン博物館等ではカメラ撮影可能だったので、少し残念である。

中にはミケランジェロやラファエロ、レオナルド
・ダ・ビンチなど錚々たるメンバーの作品が並ぶ。そして目玉はやはり『ヴィーナスの誕生』である。見ると、ヴィーナスのその表情がとても微笑ましく、私はすぐに気に行った。しかし、この絵画は抽象的に描いてある部分と細かく描かれている部分に分かれていて少し妙に感じた。特に波の部分が抽象的である。なぜだろうか。

美術館に入ると、やはりたくさんの観光客であふれていたのだが、やはりマナーの悪い観光客がいる。目の前にある銅像にペタペタ触る2人の若い女性がいた。最初触って良いのかと思って見ていたが、やはりダメなようで館員に注意されていた。他にもカメラ撮影禁止なのにも関わらず、たくさんの人が盗み撮りをしている。館員の注意が絶えない。

「ミケランジェロ広場」
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次に私が向かったのが、ミケランジェロ広場である。ミケランジェロ広場からはフィレンツェが一望できるというので、早速足を運んだ。時刻は8時頃。今行けば日が落ちるところを見ることができる!

ウッフィツィ美術館から歩いて向かったのだが、その距離は結構遠い。しかし、アルノ川沿いはとてもロマンティックな気分にさせられるので歩いていて楽しかった。

アルノ川沿いにあったスーパーマーケットで、夕日を眺めながら食べようと、ビスケット(0.75ユーロ:97円)と明日の朝を兼ねて1.5ℓのフルーツジュース(1.50ユーロ:195円)、そして朝食用にバナナとプラム(併せて約1ユーロ:130円)を購入した。

アルノ川沿いから離れ、ミケランジェロ広場へと向かう道には階段がある。その階段はとても長く、まだかまだかと思いながら歩いていた。そして階段を上がり、少し歩いてようやくミケランジェロ広場に辿り着いた。そこにはすでに日が落ちるところを見ようと、たくさんの観光客が集まっていた。

私はミケランジェロ広場にある広い階段に腰を降ろし、先に買ったビスケットとフルーツジュースを食しながら夕日を見ていた。夕日もきれいなのだが、そこから見えるフィレンツェの町並み自体がとても美しい。私が想像する絵にかいたヨーロッパの姿がそこに存在した。ここまで一生懸命歩いてたどり着いたかいがあった。

夕日が落ちると、観光客の一部が拍手をした。私も思わず拍手をした。それだけ素晴らしい景色がそこに広がっていたのだ。

「バスで駅へ」
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ミケランジェロ広場からはバスに乗って駅まで行った。来るまでに長い時間を要したので、帰りは良いかと思い、バスに乗った。バスに乗ると、運転手が片手に携帯電話を持って話している。バスが出発してもずっと話しているのだ。ギリシャのバスの運転手もそうだったが、この国ではこのようなことが許されるのだろうか。バスが交通事故を起こさないことを祈った。

駅に無事辿りつくと、小腹が空いた。まともな夕食を食べていなかったからだ。近くにピザ屋があったので、そこで軽食をすることにした。入ると、ガラスケースに中身がチーズとトマト、そしてハムが入った揚げパンのようなものが置いてある。値段は3ユーロ(390円)。おいしそうなので早速注文した。

食べてみると、中身はとてもおいしいのだが、外側の揚げパン部分がとても油がしつこかったのであまり口に合わなかった。自分で作ったのならしょうがないが、食べ物を買って外れた時はとても悲しいものである。だがまたそれも経験だろう。

「ホテルへ」
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ホテルに帰ると、ドミトリーに新しい鞄が二つ置いてあった。しばらく部屋にいると、二人の若い女性が現れた。聞くと、二人はオーストリア人で、二人でスペイン、ポルトガル、そしてイタリアを一か月旅行しているのだという。

一番良かったところはどこかと聞くと、ポルトガルだという。私もポルトガルに行くので、とても楽しみだ。

オーストリアについて聞くと、山々が広がってとても美しく、スキーやスノーボードが楽しめるそうだ。有名どころはモーツアルトが生まれ育った「ザルツブルク」と音楽の都首都「ウィーン」。ザルツブルクは正直そこまで知らなかった。ザルツブルクを知らない私を、彼女達は驚いていた。結構な有名どころのようだ。

彼女らは日本にはあまり山がないものだと思われっていた。そして私が日本のほとんどが山で、3000メートル級の山もあると言うと驚いていた。日本はヨーロッパからとても遠い国。あまり知られていないのも当然なのだろうか。

タケノコ

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