7月24日 クロアチア(2):ドブロクニク「映画『紅の豚』の世界」

ブログランキング登録中。清きワンクリックを!→にほんブログ村 旅行ブログ 大陸横断・大陸縦断へ
世界遺産・ドブロブニク旧市街
「バス・ターミナル泊」
-------------------------------
バス・ターミナルで寝ていたのは私だけだった。いつもなら他にもバックパッカ―がいるのだが、昨日に限っていなかった。一人で寝るのは少し不安だったが、何もなくて良かった。

バス・ターミナルで起きたのは午前5時。もう少し寝たいところだが、すでにバスがたくさん来て、人々がやってきたので仕方なく起きた。バスターミナルにはコーヒーの自販機がある。3クーナ(約60

円)だったので、眠気覚ましに飲んだ。

バスターミナルには宿屋の客引きがいる。私はここの客引きで土地の宿の相場を知る。聞くと、
「プライベート1室で30ユーロ(3900円)だよ。(※多くの宿でユーロも使用可能)」
「ドミトリーは?」
「ないよ。」
こんな感じの宿が多い。同じクロアチアのスプリットには10ユーロ(1300円)で泊まれる宿があったのだが、ここドブロクニクはとても高い。観光地だということと、今が夏のハイシーズンだからだろう。貧乏旅行者の私にはあまり優しくないようである。

ある宿の客引きが、以前宿に泊まった日本人が書いたであろう手紙を見せて、自分の宿がいかに素晴らしいかを示してくる。だが、あいにくその宿も一泊30ユーロ。快適なのだろうが、私には少し高かった。

バスターミナルにあったコンセントでパソコンの充電を長い間していた。するとある若い女性が、
「コンセント借りていい?私も携帯電話の充電がしたいんだ。」

もうすでに長い時間充電していたので、プラグを抜いてコンセントを彼女にわたした。

話をしていると、同じグループの人たちがやってきた。彼女らはスペイン人で、ここドブロクニクにバカンスでやってきたそうだ。私はスペインにも行く予定なので、スペインの話を聞いた。

すると、スペインには世界ベスト7に選ばれる観光地があるという。名前はalhambra。後で調べてみると、「アルハンブラ宮殿」という世界遺産であることがわかった。イスラム国家の要塞都市だそうだ。キリスト教圏の要塞都市は見てきたのだが、イスラム国家の要塞都市は見ていないので、ぜひ行ってみたいところである。

「バス停」
-------------------------------
だが、同じクロアチアのスプリットに10ユーロの宿があったのならもっと安い宿があるはずだと思い、私は重い荷物を持って探すことにした。

ここドブロクニクには世界遺産に指定されている要塞があり、今でも旧市街として人々が生活している。ギリシャのロードス島にも世界遺産の街があり、そこに安宿がたくさんあったので、ここドブロクニクにも旧市街に行けば安宿が見つかるだろうと思った。ここバスターミナルから旧市街までは歩いて40分程度である。重い荷物を持っているので、私はバスで行くことにした。

バス停には私と同じように大きな荷物を持つ旅行者がたくさんいた。バスが旧市街に行くかどうかよくわからないので、周りの人に
「こ子に来るバスで旧市街に行けますか?」
と聞く。周りの人々も観光客なのでよくわからないという。バスが来たらきいてみようということになった。観光客の中に、同じく一人旅のような感じの白人女性がいたので、話しかけてみた。

聞くとオーストラリア人で、今まで長い間日本で過ごしていたのだという。しかし日本語は全く話さなかった。高山、金山、大阪、東京、福岡、長野などを回っていたそうだ。日本人でもこんなに日本を回るひとは少ないだろう。日本の春も秋も冬も好きだと言うが、夏だけはどうしても湿度が高すぎて嫌だという。ごもっともな意見である。

オーストラリア人の長期旅行者はなんだか多い。英語を話す旅行者の半分くらいはオーストラリア人な気がする。仕事はいつでもすぐに見つかるのかと聞いてみると、問題ないと言っていた。もしそれが本当ならば、オーストラリアはとても自由な人生が送れる国なのかもしれない。

「世界遺産の街へ」
-------------------------------

ドブロブニク:旧市街の中

バスは15分程でやってきた。聞くと、旧市街にいくということなので、私はバスに乗車した。料金は10クーナ(約200円)。あまり日本と変わらない。やはりここドブロクニクの物価は高いのだろうか。

バスから海が見える。すると、このドブロクニクが「アドリア海の真珠」といわれる意味がよくわかる。とてもきれいなエメラルドグリーンの美しい海が広がり、まさに映画『紅の豚』の舞台がそこにあるのだ。

旧市街へは10分ほどで着いた。バスを降りるとすぐ目の前には要塞の真白な高い城壁が広がっている。中に入ると、ハーモニカとギターの感じのメロディーを奏でる路上演奏者がいて、とてもロマンティックなムードに包まれている。

城壁をくぐった瞬間、まるでタイムスリップをしたような気分になった。あたり一面白い石でできた建物と通りが並び、屋根はすべてオレンジ色。レトロな大きな時計台があり、教会からは高い鐘の音が響く。

もう少しゆっくり街を歩いて見たかったが、まずはこの重たい荷物を置きたかったので、まずはホテルを探した。まずインフォメーションで情報を得ようとするが、なかなか良いホテルを教えてくれない。
「私たちは5スターホテルしか取り扱っていません。」
私が困っていると、近くの同じ観光客であろう2人組の女性が口を開いた。
「この近くなら、たくさん安宿あるみたいよ。でもこのあたりは夜レストランがたくさんあるからうるさいみたい。郊外にいけばたくさん安宿があるわ。」
インフォメーションより良い情報を提供してくれた。おまけに安宿のパンフレットを渡してくれたのでとても助かった。私はとりあえずそのそのパンフレットに書かれている安宿に向かうことにした。

安宿は旧市街の中にある。迷路のように広がる狭い路地はまるで昔の街がそのまま残されているようだった。高いところにあがり、建物と建物の間に見えるたくさんのオレンジ色の屋根が奇麗だ。歩いていてまったく飽きない街だ。

しばらく歩くと、路地の一角にパンフレットに紹介されている宿があった。宿はとても奇麗な場所だ。部屋全部が真白で、インターネットも無料でできる。受付には面倒みの良さそうな人がいた。

料金は約26ユーロ(3380円)。イタリアでは15ユーロ程度で探すことができたのに、なぜここクロアチアはイタリアより高いのだろうか。

私はもっと安いところがあるだろうと、再び歩いて探した。街にはそこらじゅうに「SOBE」という民宿のようなものがあるのだが、どこもチャイムを鳴らしても人がでてこない。出てきたとしても、独りでは無理だったり、一泊では無理だったりする。ここドブロブニクにはたくさんの宿があるのに、ハイシーズンだからだろうか、なかなか良い宿が見つからなかった。

インフォメーションでもらった地図に、ユースホステルのマークが付いている。旧市街から離れているが、ここなら安く済むだろうと思って向かうことにした。

旧市街から約20分ほど歩き、ユースホステルに到着した。ユースホステルへの入口は、大通りから狭い路地の奥にあるので、見つけるのに苦労した。レセプションで聞くと、値段は朝食付のドミトリーで135クーナ(2700円)。ハイシーズンだから料金が高くなっている。まだ少し高いような気がしたが、もう何時間も重たい荷物をしょっていたし、はやくドブロブニクを堪能したかったので、ユースホステルに決めた。

「ビーチへ」
-------------------------------

エメラルドグリーンの海

まずはじめに向かったのはビーチだ。暑さで体が汗だくだったのもあるが、こんなにきれいな海をみたら入らずにはいられない。なんだか一人で寂しいが、ホステルに貴重品を預けて近くのビーチに直行した。

行く途中にパンやがある。今日はもう昼過ぎだというのに何も食べていなかったので、8クーナ(160円)のチーズが入ったパイを買って腹の足しにした。

ビーチは崖に囲まれた場所にある、周りの岩からはたくさんの人が海へ飛び込んで楽しんでいた。ビーチは砂浜ではなく白い小さな石が敷き詰められる。私は個人的に砂浜より小さな石が敷き詰められたビーチの方が好きだ。砂が海パンやサンダルに挟まるとあまり気持ちが良くないからである。

海は間違いなく美しい。色はエメラルドグリーンで、海は透通り、小さな魚がたくさん泳いでいる。こんなにきれいな海の近くに住むことができたらどんなに幸せだろうか。

私は少し沖に向かって泳いだあと、ビーチで日向ぼっこしていた。冷たい海に入った後の日向ぼっこは暖かくてとても気持ちが良い。

「ドブロクニク散策」
-------------------------------
ビーチに行ったあと、宿に預けた貴重品を取りに行き、私はドブロクニクを散策した。

先ほどホテルを探しているときに旧市街をだいぶみたのだが、この旧市街の背に聳え立つ山からこのドブロブニクを見たらさぞかし絶景だろうと思い、私は山に向かって坂や階段を登っていった。

そしてしばらく歩き、広場が現れた。そこにはベンチが2つおいてあるだけだが、その広場からはドブロブニク旧市街全体を見渡すことができた。青い海と白い壁にオレンジの建物。この3色が絶妙な風景を作り出すのだ。

下に降りていく時、民家の庭を覗くことができた。多くの民家の庭には、上にとてもおいしそうなブドウが成っている。今が食べ時のようである。将来こんなブドウの木がある庭を持ちたいものだ。

「旧市街へ」
-------------------------------
坂を降り、私は再び旧市街を歩いた。

旧市街には、あちこちに冷たい水のでる場所がある。その水がでる場所から皆顔を洗ったり、ペットボトルに入れて飲んだりしている。クロアチアの水は飲めないとウェブサイトに書かれていたが、どうやら飲めるようだ。私も持ち合わせのペットボトルに水を入れて飲んだ。地下水だろうか。冷たくてとてもおいしかった。

ここにはたくさんの観光客がいて、もちろん日本人の姿もたくさんあった。新婚旅行をしているようなカップルが多い。クロアチアは日本人に人気なようだ。

ユースホステルにはキッチンがあったので、夕食を作ることにした。スーパーでズッキーニ、ナス、トマトを購入し、持ち合わせのパスタでトマトパスタをつくる。この野菜全部で5クーナ(100円)である。安い。

肉も入れたいところだが、あまり小分けにされて売られておおらず、量も多く高かったので諦めた。代わりの味付け用に、今後も使えるだろう牛肉スープの素(6クーナ:120円)も買った。

「モトさんと再会」
-------------------------------
旧市街からユースホステルに向かう途中、ロードス島で部屋をシェアしたモトさんに偶然会った。旧市街からの出口を出たら歩いていたのだ。

また会えたらいいと思っていたが、こんな形でまた会うとは思わなかった。驚きの再会である。

聞くと、モトさんも今日ドブロブニクに着いたようだ。モトさんはイタリアのバーリからフェリーでやってきたそうだ。色々また話したかったが、私は片手にたくさんの食材を抱えてホステルに帰る途中だったので、すぐに別れた。モトさんはこれから飲みに行くそうだ。私もモロッコなどの物価の安い国に行く時、飲みに行きたい。

「ユースホステルでクッキング」
-------------------------------
食べかけの作った料理

ユースホステルに着き、私は料理をしようとキッチンに向かった。キッチンには先客が2人いる。一人はノルウェー人の男性、もう一人はオーストラリア人の女性だ。ノルウェー人は2L入りペットボトルに入ったクロアチアのビールを飲んで陽気に歌っている。オーストラリア人はキッチンに入って料理をしていた。
「あと10分待ってて!」

聞くと、彼女はオーストラリアのシドニー出身だ。私は高校生の時、オーストラリアのシドニーに留学していたので、少しシドニーの話をした。

私は留学をしていたのに正直なところそこまで英語に自信がない。だが、オーストラリア人に、
「やっぱりあなたの英語にはオーストラリアン・アクセントがあるわね。」
と言われた時は、別に褒められたわけではないが、オーストラリアに留学していた成果があったと感じ、非常に嬉しかった。

「大量のパスタ」
-------------------------------
彼女の料理が終わり、私の番がきた。スーパーで買ったズッキーニ、トマト、ナス、そして以前買った小分けのトマトソースを使ってパスタのソースを作る。牛肉スープの素には、一緒にたくさんの小さな麺も入っていいたので使いづらかった。。
パスタはペンネ。スパゲティだと大きな鍋がないと作りづらいので、私はいつもペンネを買っている。

野菜は使いきれるようになるべく小さいものを選んだが、切ってみるとやはり多い。しかし残しても保存できないし捨てるのももったいので、鍋にすべて入れた。すると出来上がったのは大量のパスタ。3人分はある。全部入る皿がなかったので、そのまま鍋で食べるしかない。ホステルの人々に分けたかったが、フォークは自分の分しかないのだ。なのですべて自分で食べるしかかった。

テラスで食事をしようと思い、料理を持っていく。テラスに行くと、2人のフランス人男性がいた。彼らもこの量に驚いていた。おすそ分けしたいところだがフォークがなければ意味がない。

しばらくして先ほどのオーストラリア人とノルウェー人も現れた。これから4人で飲みにいくのだという。一緒にどうかと誘われたが、あいにく料理を食べていたし、キッチンも片付いないし、何よりあまりお金を使うことができなかったので断った。せっかくの機会だったか、残念である。

彼らには
「全部食べてみせる!」
と宣言したが、やはり全部は食べられなかった。旅で食も節約しているので、私の胃も小さくなったのだろうか。明日の昼にでもたべようと思い、ビニール包んで冷蔵庫に入れる。そして私は寝た。

タケノコ

0 件のコメント:

コメントを投稿

Instagram